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失敗しない実家じまい 完全ガイドブック

スケジュール・期限一覧・兄弟で揉めない進め方・業者選びのポイント

本ガイドは情報提供であり、個別の法律・税務の手続きは弁護士・司法書士・税理士にご相談ください。


はじめに

「実家じまい」とは、親が亡くなった後や施設へ移った後に、実家の家財を片付け、不動産を売却・活用・処分するまで一連の作業を指します。本ガイドブックの読者である「子の世代」が、遠方から何度も通い、仕事や家族との時間を削りながら、初めて経験する手続きの連続です。

「生前整理」が本人(親)が自分の家で、元気なうちに進める整理であるのに対し、「実家じまい」は子や家族が「親の家」を片付け・処分する実務です。相続の期限、兄弟との話し合い、業者選び、空き家の維持費など、知らないと後から取り返しのつかない失敗が起こりやすい分野です。

本ガイドは、過去1万件以上の実家じまい支援の現場で蓄積された知見に基づき、チェック項目実行フロー注意点・ポイントを抜け漏れなくまとめました。初めての方でも、チェックリストとフローに沿って進めることで、期限の取りこぼしや兄弟間のすれ違い、業者トラブルを防ぎやすくしています。

  • いつまでに何をすべきか(期限を逃さない)
  • 兄弟・親族とどう進めるか(揉めない話し合い)
  • 業者に頼むとき何に気をつけるか(押し買い・悪質業者を避ける)
  • 空き家をどうするか(放置しない選択肢)

個別の遺言の文案・相続税額の計算・登記手続きの代行は、弁護士・司法書士・税理士にご相談ください。


本ガイドブックについて

本ガイドは**実家じまいを任される方(主に子世代)**が、初めてでも迷わず進められるよう、次の3要素を各所で繰り返し扱っています。

要素内容
チェック項目phase・場面ごとの「やるべきこと」を漏れなくリスト化。□で確認しながら進められます。
実行フロー「いつ・何を・どの順で」行うかのステップ。分岐(遺言あり/なし、業者に頼む/頼まない等)も明示。
注意点・ポイント現場でよくある落とし穴・専門家が重視する判断・期限や書面のポイント。
  • 相続・法律:遺言の確認、相続人の範囲、期限の概要(具体的な手続きは士業へ)
  • 実務:片付けの順序、業者依頼のタイミング、見積もりの取り方
  • 不動産:売却・賃貸・活用・放置のリスク(査定・契約は不動産会社・士業へ)
  • 家族関係:兄弟で役割を分ける、話し合いのコツ、専門家を入れるタイミング

「ここまでなら自分でできる」「ここからは専門家に任せる」の境界を明示し、相談すべき専門家の目安も載せています。


実家じまい 全体実行フロー(6フェーズ)

どのパターン(親が亡くなった後/施設移転後/まだ住んでいる)でも、次の6フェーズで整理すると抜けが減ります。該当しないフェーズは飛ばして構いません。

【Phase 0】準備・情報収集
    ↓
【Phase 1】法的スタート(遺言確認・相続人確定・財産洗い出し)
    ↓
【Phase 2】家族の役割とスケジュールの合意
    ↓
【Phase 3】実家の片付け(書類・貴重品の確保 → 不用品・家財の処分)
    ↓
【Phase 4】不動産の方針決定と手続き(売却・賃貸・活用・更地等)
    ↓
【Phase 5】相続手続きの完了(登記・預貯金名義変更・相続税申告等)
  • パターンA(親が亡くなった後):Phase 0 → 1 → 2 → 3 → 4 → 5 の順で進める。
  • パターンB(親が施設等に移った後):Phase 0 → 1 の「財産洗い出し」と、本人の意思能力に応じた代理・後見・信託の相談を優先。そのうえで 2 → 3 → 4。Phase 5 は相続発生後。
  • パターンC(親はまだ実家に居住):Phase 0 と Phase 2 の「将来の役割・情報共有」を中心に、親の元気なうちに話し合いとリスト作りだけ進める。

ポイント:Phase 1 を怠ると、後から「相続人が足りない」「遺言が未検認」で手続きが止まります。まず法的スタートを確実に。


全体チェック項目(実家じまい 総合リスト)

実家じまいを抜け漏れなく進めるための総合チェック項目です。該当する□にチェックを入れながら進めてください。

Phase 0:準備・情報収集

□ 実家じまいのきっかけを確認した(相続発生/施設移転/将来備え)
□ 親のエンディングノート・財産一覧の有無を確認した
□ 連絡が取れる相続人・親族のリストを書き出した
□ 実家の鍵・権利証・通帳のありそうな場所を把握した(または親に聞いた)
□ 本ガイドの「期限一覧」を一読し、該当する期限をメモした

Phase 1:法的スタート

□ 遺言の有無を確認した(自筆・公正証書・秘密証書の別も)
□ 自筆証書遺言がある場合、開封せず検認の申立て先(家庭裁判所)を確認した
□ 相続人を確定するために必要な戸籍の取り寄せ先を確認した
□ 戸籍を取り寄せ、相続人を一覧にした
□ 財産(預貯金・不動産・有価証券・保険・貴金属・車等)を洗い出した
□ 負債・未払い(借金・公共料金・医療費等)を洗い出した
□ 相続税の申告要否を税理士に相談した(該当する場合)

Phase 2:家族の役割とスケジュール

□ 相続人・関係者で「誰が何を担当するか」を決めた
□ 大まかなスケジュール(片付け完了目標・売却検討時期等)を共有した
□ 連絡手段(LINEグループ・メール等)と報告ルールを決めた
□ 遺産分割の進め方(現物分割・換価分割等)を話し合う場を設けた
□ 話し合いの結果や合意内容をメール・議事メモで残すようにした

Phase 3:実家の片付け

□ 重要書類・通帳・権利証・印鑑・貴金属の保管場所を特定した
□ これらを処分せず、相続手続き用に確保した
□ 片付けの優先順位(部屋・種類別)を決めた
□ 業者に頼む場合、複数社から書面で見積もりを取った
□ 買取・処分の範囲と「押し買いしない」方針を業者に伝える準備をした
□ 思い出の品・形見の「誰がもらうか」を家族で話し合った(または保留ルールを決めた)

Phase 4:不動産の方針

□ 実家の扱い(売却・賃貸・活用・更地・保留)を方針として決めた
□ 売却する場合、相続登記の要否を司法書士に確認した
□ 査定を依頼した(売却・活用の検討材料)
□ 空き家対策(自治体の助成・相談窓口)を調べた(該当する場合)

Phase 5:相続手続きの完了

□ 遺言の検認手続きを完了した(自筆証書等の場合)
□ 遺産分割協議書を作成し、全員が署名・押印した(相続人が複数いる場合)
□ 相続登記の申請をした(必要に応じて司法書士に依頼)
□ 預貯金・有価証券・保険の名義変更・解約手続きを進めた
□ 相続税の申告・納付を期限までに完了した(該当する場合)
□ 未払いの公共料金・契約の解約・名義変更を済ませた


第1章 実家じまいの「3つのパターン」

実家じまいが始まるきっかけは、主に次の3パターンです。どのパターンかで、最初にやることスケジュールが変わります。

パターンA:親が亡くなった後

相続が発生します。遺言の有無の確認、相続人の確定、遺産の調査、相続税の申告要否の確認、名義変更など、期限が定められている手続きがあります。実家の片付けは、これらの流れのなかで、相続人全員の同意を得ながら進めます。

パターンB:親が施設入所・転居した後

親が施設や病院、子の家などに移り、実家が空いた状態です。相続はまだ発生していないため、親の財産を本人に代わって管理・処分する手続き(成年後見、家族信託、委任など)が必要な場合があります。家財の処分や家の売却は、親の意思能力や契約内容に応じて、弁護士・司法書士に相談しながら進めます。

パターンC:親はまだ実家に住んでいるが、将来に備えて話し合う

「いつか」に備え、親の元気なうちに「財産の場所」「片付けの希望」「家の処分の希望」を聞いておく段階です。エンディングノートや財産一覧の有無を確認し、兄弟で情報を共有しておくと、いざというときの実家じまいがスムーズになります。

第1章 チェック項目(パターン判定)

□ わが家の状況に当てはまるパターンを1つ以上選んだ(A/B/C)
□ パターンA:相続が発生している → Phase 1(遺言・相続人・財産)を最優先で開始する
□ パターンB:親が施設等にいる → 財産管理・処分の権限(後見・信託・委任)を士業に相談する
□ パターンC:親はまだ居住 → 情報共有と「誰が何をするか」の将来合意を兄弟で話し合う

第1章 実行フロー(パターン別・最初の1か月)

パターンA

  1. 遺言の有無確認(開封しない) → 2. 相続人の範囲の把握と戸籍取得の依頼 → 3. 財産・負債の洗い出し開始 → 4. 家族会議の日程調整

パターンB

  1. 親の意思能力・既存の委任・後見の有無を確認 → 2. 必要なら弁護士・地域包括支援センターに相談 → 3. 財産の所在を把握 → 4. 家財の処分・家の処分の権限を確認してから片付け・売却を計画

パターンC

  1. 親から「財産の場所」「片付け・家の処分の希望」を聞く → 2. 兄弟で「いざというときの担当」と情報の保管場所を決める → 3. エンディングノート・財産一覧の有無を確認

第1章 注意点・ポイント

  • パターンを見誤らない:親が亡くなっているのに「まだ住んでいる前提」で話し合いだけ進めると、検認や相続税の期限を逃す。まず「相続が発生しているか」を明確に。
  • パターンBで多い失敗:親の判断能力が不十分なのに、子が単独で家を売却・処分してしまうと無効になることがある。必ず権限(成年後見・家族信託・委任契約等)を専門家に確認してから動く。
  • パターンCは「今やること」を絞る:全部やろうとしない。「財産の地図」と「誰が何をするか」の合意だけでも、将来の実家じまいが数倍楽になる。

第2章 最初にやること(スタートダッシュのチェックリスト)

実家じまいで最初にやるべきことを、順番にまとめます。

1. 遺言の有無を確認する

自筆証書遺言がある場合は、相続開始後、検認の申立てが必要です。勝手に開封せず、家庭裁判所の検認手続きを経てから内容を確認します。公正証書遺言の場合は、公証人役場に問い合わせて原本の有無を確認できます。遺言の有無や方式によって、その後の手続きが変わるため、早めの確認が重要です。詳細は弁護士・司法書士にご相談ください。

2. 相続人を確定する

法定相続人の範囲は民法で定められています。戸籍を取り寄せて、相続人を確定します。相続人が複数いる場合、遺産分割協議は相続人全員の同意が必要です。相続人が誰かわからない・連絡が取れない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

3. 財産と負債を洗い出す

預貯金、不動産、有価証券、保険、貴金属、車など、プラスとマイナス(借金・未払いなど)を一覧にします。親の通帳・権利証・保険証券の保管場所がわかれば、相続税の申告要否の判断や遺産分割の材料になります。個別の評価・税額計算は税理士にご相談ください。

4. 家族で「誰が何をするか」を決める

遠方に住む兄弟がいる場合、実家の片付け・書類取り寄せ・業者との打ち合わせなどを誰が担当するか、早めに話し合います。役割を決めておくと、後から「言っていない」「聞いていない」といったすれ違いを防ぎやすくなります。

第2章 チェック項目(最初にやること)

□ 遺言の有無を確認した(自筆・公正証書・秘密証書の別)
□ 自筆証書遺言がある場合、開封せず検認の申立て先を調べた
□ 相続人を確定するために、必要な戸籍(出生から死亡まで)の取得先を確認した
□ 戸籍を取り寄せ、相続人一覧を紙または一覧表にまとめた
□ 預貯金・不動産・有価証券・保険・貴金属・車をリストにした
□ 借金・未払い・連帯保証の有無を確認した
□ 家族で「書類取り寄せ担当」「実家通い担当」「業者対応担当」等の役割を決めた
□ 連絡手段(LINE・メール等)と「報告するタイミング」を決めた

第2章 実行フロー(最初の2週間)

  1. 1日目〜3日目:遺言の有無確認(金庫・寝室・銀行の貸金庫等)。自筆証書は開封しない。
  2. 1週目:戸籍の取り寄せ依頼(本籍地の市区町村等)。相続人を確定するために必要な範囲を窓口で確認。
  3. 1週目〜2週目:実家で「通帳・権利証・保険証券・印鑑」のありそうな場所を特定。リスト化。
  4. 2週目:相続人全員でオンラインまたは対面の家族会議。役割と大まかなスケジュールを合意。
  5. 2週目:相続税の申告要否を税理士に相談(該当する場合)。

第2章 注意点・ポイント

  • 自筆証書遺言は開封しない:開封すると検認手続きがスムーズにいかず、過料の対象になることがあります。見つけたら家庭裁判所への検認申立てを優先。
  • 相続人の「取りこぼし」:再婚した配偶者の連れ子、認知した子、代襲相続人などが抜けると、後から遺産分割が無効になり得る。戸籍は「出生から死亡まで」つながるように取得する。
  • 財産の洗い出しは「完璧」を目指さない:まず思いつく範囲で一覧化し、あとから通帳や証券を発見したら追記する形でよい。最初の一覧があるだけで、税理士・弁護士への相談が格段にしやすくなる。
  • 役割は「名前」で書く:「長男が」ではなく「〇〇(名前)が戸籍取得と税理士対応」のように、誰が何をするかを明確にすると、後からの言い争いが減る。

第3章 遅れると損する「期限」一覧

実家じまい・相続に関して、期限が定められている主な手続きの概要です。必ずしも該当しない場合もありますが、該当するときは期限を守らないとペナルティや手続きの遅れにつながります。詳細なスケジュールと順序は、弁護士・司法書士・税理士にご確認ください。

手続き期限の目安備考
遺言書の検認(自筆証書等)相続開始後、開封前に申立て家庭裁判所。公正証書遺言は不要
相続税の申告・納付相続開始を知った日の翌日から10か月以内申告不要な場合もあり。税理士に相談を
相続登記期限はないが、売却・活用の前に必要司法書士に依頼するケースが多い
預貯金の解約・名義変更各金融機関の手続きに従う相続人確定後、遺産分割協議書等が必要な場合あり

空き家のまま放置すると、固定資産税・管理費・老朽化による価値低下が続きます。「いつか」で数年過ぎると、売却しづらくなったり、近隣への配慮が求められるケースもあります。方針が決まったら、早めに専門家に相談するのがおすすめです。

第3章 チェック項目(期限まわり)

□ 「相続開始を知った日」をメモした(10か月の起算に影響)
□ 自筆証書遺言がある場合、検認の申立てを開封前に予定した
□ 相続税の申告要否を税理士に相談し、申告する場合の期限をカレンダーに書いた
□ 預貯金の解約・名義変更の手続きに必要な書類と期限を金融機関に確認した
□ 相続登記を「いつまでに」行うか、売却予定と合わせて司法書士に確認した(該当する場合)

第3章 実行フロー(期限管理)

  1. 相続発生から1か月以内:遺言の有無確認と検認の要否判断。自筆証書なら検認申立ての準備。
  2. 相続発生から3か月以内:相続人確定・財産洗い出し・税理士への申告要否相談。
  3. 10か月の期限:相続税の申告・納付(該当する場合)。余裕をもって2〜3か月前から書類準備。
  4. 売却する場合:相続登記 → 査定・媒介契約 → 売却。登記は「期限」はないが、買主側のローン審査のため早めに。

第3章 注意点・ポイント

  • 「10か月」は相続開始を知った日の翌日から:申告不要と判断した場合でも、その判断を税理士に依頼した時期と理由をメモしておくと安心。
  • 期限を1つでも逃すと:延滞税・加算税の対象になることがある。申告要否が不明な段階でも、早めに税理士に相談する。
  • 空き家は「期限」がなくても損失が続く:固定資産税は毎年、管理・老朽化も進行する。方針決定の「目標時期」を家族で決めておくと、先送りを防ぎやすい。

第4章 実家の片付け・どこから手をつけるか

家財の片付けは、重要書類・高価な品を先に把握し、不用品から手をつけると進めやすいです。

書類・通帳・証券

権利証、保険証券、契約書、通帳、有価証券などは、捨てずに保管場所を共有し、相続手続きや遺産分割の材料にします。不要なDMや古い領収書は、シュレッダーや廃棄で問題ありません。判断に迷うものは「保留」にして、期限を決めてから再判断する方法がおすすめです。

衣類・日用品・思い出の品

「使う・使わない・迷う」の3つに分ける方法がよく使われます。迷うものは「保留箱」にまとめ、○週間後に再度判断するルールにすると、作業が止まりにくくなります。着物・骨董・貴金属など価値がわからないものは、捨てずに無料査定や鑑定を利用してから、リユース・買取・寄付を検討しましょう。買取を依頼する場合は、無理な勧誘がなく、査定の根拠を説明してくれる業者を選んでください。

業者に頼むタイミング

自分たちだけでは物理的・時間的に難しい、遠方で通いきれない、重いものや危険なものが多いといった場合は、遺品整理・不用品回収・生前整理の業者に依頼する選択肢があります。複数社から一括見積もりを取り、作業内容・搬出範囲・料金・支払条件を書面で比較してから決めると安心です。無理な勧誘や販売を一切行わないことを明記している業者を選び、契約前に「何をするか」「いくらかかるか」を書面で確認しましょう。

「押し買い」に注意

片付けの作業中に、貴金属・骨董・着物など価値のある品が出てくることがあります。売るつもりがないのに居座って強引に買い取りを迫ったり、不当に安い価格で買い叩いたりする「押し買い」は、特定商取引法で規制されています。心配なときは、消費者ホットライン「188」や国民生活センターに相談できます。査定や買取を依頼する場合は、勧誘がなく、査定の根拠を説明してくれる業者を選んでください。

第4章 チェック項目(片付け)

□ 重要書類・通帳・権利証・印鑑・保険証券の保管場所を特定し、処分対象から外した
□ 貴金属・着物・骨董など「価値が不明なもの」を捨てずにリスト化した
□ 片付けの優先順位(リビング→寝室→押入れ→物置 等)を決めた
□ 「使う・使わない・迷う」の3分類と「保留」の再判断期限を決めた
□ 業者に依頼する場合、2社以上から書面で見積もりを取った
□ 見積もりに「作業範囲・搬出物・オプション料金・支払条件」が明記されているか確認した
□ 買取を依頼する場合、「押し買いしない」「査定根拠を説明する」業者であるか確認した
□ 形見・思い出の品の「誰がもらうか」または「保留ルール」を家族で話し合った

第4章 実行フロー(片付けの順序)

  1. 事前:重要書類・貴重品の場所を特定。これらは最初に別置きし、処分・業者搬出の対象から外す。
  2. 1週目:不用品(明らかなゴミ・壊れた家電・古いDM等)から処分。自治体の粗大ごみルールを確認。
  3. 2週目〜:衣類・日用品を「使う・使わない・迷う」で分類。迷うものは保留箱に集め、○週間後に再判断。
  4. 並行:着物・骨董・貴金属は無料査定を利用し、買取・寄付・処分のどれにするか決めてから手を動かす。
  5. 業者依頼時:見積もり取得 → 比較 → 契約書面で範囲・金額を確認 → 作業日設定。作業当日は「買取は希望するものだけ」と伝え、居座り勧誘には応じない。

第4章 注意点・ポイント

  • 書類・通帳を「ゴミ」と一緒に捨てない:現場でよくある失敗。まず「触らないエリア」を決め、そこは相続手続きが落ち着いてから整理する。
  • 価値がわからないものは捨てない:着物・茶器・骨董は査定前に処分すると後悔しやすい。無料査定で「ほぼ価値なし」とわかってから処分でよい。
  • 業者は「書面」が命:口頭の「だいたい〇円」は後からトラブルのもと。必ず見積書・契約書で範囲と金額を固定する。
  • 押し買いのサイン:「今すぐ決めないと」「無料査定だから」を盾に長時間居座る、相場とかけ離れた安値で買い取ろうとする → 断り、必要なら消費者ホットライン188に相談。

第5章 空き家・不動産の選択肢

実家を相続したが住む予定がなく、空き家の維持費(固定資産税・管理費・保険など)が負担になる方は少なくありません。空き家のまま放置すると、老朽化・不法侵入・ご近所への影響などが問題になり、自治体によっては「空き家対策」の助成や相談窓口を設けています。

主な選択肢

  • 売却:不動産会社に査定・売却を依頼。相続登記が済んでいることが前提になることが多いです。仲介手数料・税務は不動産会社・税理士にご相談ください。
  • 賃貸・活用:賃貸に出したり、サ高住・シェアハウスなどに改修して活用する方法もあります。立地・状態・家族の希望によって選択肢が異なります。
  • 更地にして保有・売却:建物を解体して更地にし、土地だけ売却または保有する選択肢もあります。解体費用・税務の影響は業者・税理士にご相談ください。

「いつか使うかも」で何年も放置するより、方針だけでも早めに決めておくと、家族も動きやすく、固定資産税や管理コストの見通しが立ちます。具体的な査定・契約・税務は、不動産会社・弁護士・司法書士・税理士にご相談ください。

第5章 チェック項目(不動産)

□ 実家の扱いを「売却・賃貸・活用・更地・しばらく保留」のどれにするか方針で決めた
□ 売却する場合、相続登記が済んでいるか確認した(未登記なら司法書士に依頼)
□ 少なくとも1社以上、不動産会社に査定を依頼し、相場感をつけた
□ 空き家対策(自治体の助成・相談窓口・空き家対策法の対象か)を調べた
□ 固定資産税・管理費・保険・光熱水費の「誰がいつまで払うか」を決めた
□ 売却・賃貸・解体の税務(譲渡所得税・消費税等)を税理士に確認した(該当する場合)

第5章 実行フロー(不動産の処分)

  1. 方針決定:家族で「売却/賃貸/活用/更地/保留」のどれにするか合意。保留の場合は「いつまでに再検討するか」を決める。
  2. 登記:売却・活用するなら相続登記を先に。司法書士に依頼するケースが多い。
  3. 査定:複数社に査定依頼(基本無料)。相場と「売却可能か・借り手がつくか」の感覚をつかむ。
  4. 売却の場合:媒介契約 → 買主探し → 契約・引き渡し。仲介手数料・税務は契約前に確認。
  5. 更地にする場合:解体業者の見積もり → 業者選定 → 解体 → 登記(滅失登記)等。税務は税理士に相談。

第5章 注意点・ポイント

  • 登記が未了のまま売却できない:相続登記を済ませていないと、多くの買主・金融機関が契約に応じない。売却を考える時点で登記を最優先に。
  • 空き家の「放置コスト」:固定資産税は毎年かかり、老朽化で売却価格も下がる。「10年放置でかかった費用」と「今売却した場合」を比較すると、早めの決断が得になりやすい。
  • 自治体の助成:解体助成・空き家バンク・相談窓口がある地域がある。まず市区町村のHPで「空き家」を検索。

第6章 兄弟・親族で揉めないために

相続人が複数いると、「誰が何を担当するか」「実家を売るか残すか」「中身の品を誰がもらうか」で意見が分かれることがあります。

話し合いのコツ

  • 役割を決める:書類取り寄せ、業者との打ち合わせ、実家への赴く頻度など、誰が何をするかを最初に決めておく。
  • 期限とゴールを共有する:「○月までに片付けを終える」「○月までに売却の方向で検討する」など、大まかなスケジュールを共有する。
  • 記録を残す:誰が何を言ったか、どの案で合意したかをメールや議事メモで残すと、後からの言い争いを防ぎやすくなります。

遺産分割で揉めそうなとき

遺産の分け方で合意が難しい場合は、弁護士に相談し、遺産分割協議の調整や調停の代理を依頼する選択肢があります。相続人が不明・行方不明の場合は、弁護士に早めに相談することをおすすめします。

第6章 チェック項目(兄弟・親族)

□ 相続人・関係者全員の「役割」を名前で決め、書面または共有メモに残した
□ 片付け・売却・書類取り寄せの「目標時期」を全員で共有した
□ 連絡手段(LINEグループ・メール等)と「報告のタイミング」を決めた
□ 話し合いの結果(誰が何を担当するか・方針)を議事メモまたはメールで残した
□ 形見・思い出の品の「誰がもらうか」または「くじ・日付順」等のルールを決めた
□ 遺産分割で意見が分かれた場合、弁護士に相談するタイミングを決めた

第6章 実行フロー(話し合いの進め方)

  1. 初回:全員が集まれる日を設定。遺言の有無・相続人の範囲・「誰が何をするか」の案を持ち寄る。
  2. 役割の確定:戸籍取得・税理士対応・実家通い・業者対応などを「名前」で割り当て。遠方の人は連絡係・書類確認などでも可。
  3. スケジュールの合意:「○月までに片付け」「○月までに売却方針」など、大まかな期限を全員で合意。
  4. 記録:合意内容をメールで送る、または議事メモを共有。後から「言っていない」を防ぐ。
  5. 揉めたら:感情的な言い合いになる前に、弁護士に「遺産分割の調整」を依頼する選択肢を共有する。

第6章 注意点・ポイント

  • 「長男が」ではなく「〇〇さんが」:役割を名前で書くことで、誰が何をすべきかが明確になり、不満がたまりにくい。
  • 一度で完璧を目指さない:初回は「役割と目標時期」だけ決め、細かい話は2回目以降にすると、話し合いが長引きすぎない。
  • 記録は「証拠」ではなく「共通認識」:後から争うためではなく、「みんなが同じ理解をしている」ことを確認するために残す。
  • 専門家を入れるタイミング:遺産分割で意見が真っ二つになった時点で、弁護士を入れると、感情的な対立が手続きに置き換わり、進みやすくなる。

第7章 費用の目安と予算の立て方

実家じまいにかかる費用の相場感を把握しておくと、見積もりを比較するときや予算を立てるときに役立ちます。いずれも目安であり、案件によって異なります。正確な見積もり・手数料・税額は、各専門家にご確認ください。

項目費用の目安賢く進めるコツ
遺品整理・片付け搬出量・内容により変動必ず複数社から見積もりを取る
公正証書遺言(参考)財産額に応じた手数料(法律で定められている)相続が発生した後の手続きには直接関係しないが、親が作成していれば手続きがスムーズになることがある
不動産査定基本無料売却するかどうか迷っていても、査定だけ依頼して相場感をつけておくとよい
買取・鑑定基本無料(査定のみ)押し買いのない、誠実な業者を選ぶ
相続税申告税理士報酬は事務所により異なる。基礎控除あり申告要否・税額の計算は税理士に相談する

空き家を長期間放置すると、固定資産税・管理費・老朽化で損失が膨らむことがあります。売却・活用の検討は、早めに始めるほど選択肢が広がりやすいです。

第7章 チェック項目(費用・予算)

□ 遺品整理・片付けの見積もりを2社以上から取り、比較した
□ 相続税の申告要否を税理士に確認し、申告する場合の報酬・納付額の目安を聞いた
□ 相続登記の費用を司法書士に確認した(該当する場合)
□ 不動産売却の仲介手数料・解体費用の相場を調べた(該当する場合)
□ 空き家の固定資産税・管理費を「年間いくらか」把握した
□ 全体の「いつまでにいくらかかるか」を大まかにメモし、兄弟で負担の話し合いをした(該当する場合)

第7章 実行フロー(予算の立て方)

  1. 洗い出し:遺品整理・登記・税理士・売却仲介・解体など、かかりそうな項目をリスト化。
  2. 見積もり・相談:各項目で見積もりまたは「相場の範囲」を取得。相続税は税理士に要否と目安を相談。
  3. 合計と負担:相続人で負担を分ける場合、誰がいくら払うか・売却代金から充当するかを合意。
  4. 契約前の確認:業者・士業と契約する前に、追加費用の有無と支払いタイミングを書面で確認。

第7章 注意点・ポイント

  • 見積もりは「総額」で比較:遺品整理は単価だけでは比べにくい。作業範囲と総額を書面で揃えてから比較する。
  • 相続税は「申告不要」でも相談は有効:申告不要と判断する根拠を税理士に確認してもらうと、後から税務調査で指摘されるリスクを減らせる。
  • 「タダ」に近い見積もりは疑う:相場から著しく安い場合、後からオプションや追加請求が来ることがある。契約書で範囲を限定する。

第8章 こんなとき誰に聞くか・専門家マップ

実家じまいの悩みに合わせて、相談すべき専門家の目安です。一つの事柄に複数の専門家が関わることもあるので、まずは窓口になりそうなところに相談し、必要に応じて他職種を紹介してもらう形でも構いません。

あなたの悩み相談すべき専門家専門家ができること(例)
遺言の有無・内容を確認したい弁護士・司法書士検認手続き、遺言の効力の説明、相続手続きの流れ
相続税がいくらか知りたい税理士財産評価、相続税の計算、申告書作成
不動産の名義を変えたい司法書士相続登記、遺言執行の手続き
着物や骨董を売りたい買取・鑑定業者価値の査定、リユース・買取の提案
実家を売りたい・貸したい不動産会社物件の査定、売却活動、活用方法の提案
遺産分割で揉めそう・相続人が不明弁護士遺産分割協議の調整、調停の代理
家財の片付け・遺品整理を頼みたい遺品整理・生前整理業者搬出・処分・買取の見積もりと作業
親が施設にいる・判断能力が心配弁護士・司法書士・地域包括支援センター成年後見・家族信託の案内、身上監護の相談
押し買い・悪質業者に遭った消費者ホットライン188・国民生活センター相談・あっせん

第8章 チェック項目(専門家に頼むタイミング)

□ 遺言・相続の手続きで不明点が出たら、弁護士または司法書士に相談する予定を決めた
□ 相続税の要否・申告は税理士に相談する予定を決めた
□ 登記が必要な場合、司法書士に依頼する予定を決めた
□ 片付けを業者に頼む場合、複数社から見積もりを取る予定にした
□ 遺産分割で揉めそうになったら、弁護士に相談することを家族で共有した
□ 消費者ホットライン188・国民生活センターの番号をメモした(押し買い・トラブル時)

第8章 実行フロー(誰に聞くかの判断)

  1. 法律・相続・登記 → 弁護士・司法書士(遺言・相続人・遺産分割・登記)。
  2. 税金・申告 → 税理士(相続税・申告要否・財産評価)。
  3. 家の片付け・搬出 → 遺品整理・生前整理業者(見積もりは複数社)。
  4. 家の売却・賃貸 → 不動産会社(査定・媒介)。契約・税務は士業と連携。
  5. 買取・鑑定 → 買取・鑑定業者(押し買いのない業者を選ぶ)。
  6. トラブル・押し買い → 消費者ホットライン188・国民生活センター。

第8章 注意点・ポイント

  • 一つの窓口から他職種を紹介してもらう:弁護士に相続相談すると、税理士・司法書士を紹介してもらえることが多い。最初の一歩を決めると、流れができる。
  • 業者は「遺品整理」「生前整理」で検索:一括見積もりサイトで複数社に依頼し、書面で比較してから決める。

第9章 注意したいこと・相談先

法律・税務の相談は専門家へ

遺言の有効な書き方、相続税の計算、借金の処理、登記の手続きなど、法律・税務の具体的な相談は、弁護士・司法書士・税理士の業務です。生前整理・遺品整理の業者や一般のサービスが、お客様に代わって遺産分割の交渉をしたり、遺言の具体的な文案を作成して報酬を得たり、個別の相続税額を計算したりすることは、法律で禁止されています(非弁活動・非税理士活動)。個別の手続きが必要になったら、早めに専門家に相談するのが安心です。

地域の相談窓口

終活・相続・実家の片付けについて、自治体の福祉会館や社会福祉協議会、地域包括支援センターなどに無料相談窓口が設置されている地域があります。お住まいの市区町村のHPや窓口で確認してみてください。

第9章 チェック項目(注意・相談先)

□ 遺言の文案・相続税の個別計算・遺産分割の代行は士業に依頼し、業者には頼まないと理解した
□ 押し買いや「今すぐ決めないと」という勧誘には応じないと家族で共有した
□ 見積もり・契約は必ず書面で取り、口頭だけの約束にしないと決めた
□ 消費者ホットライン188・国民生活センターの番号をスマホに登録した
□ お住まいの自治体の終活・相続・空き家の相談窓口を調べた

第9章 実行フロー(トラブル予防)

  1. 契約の前:何をするか・いくらか・追加料金の有無を書面で確認。
  2. 業者選び:無理な販売・押し買いをしないと明記している業者を選ぶ。
  3. 怪しいサイン:居座る・相場とかけ離れた安値・「今だけ」の強引な勧誘 → 断り、必要なら188に相談。
  4. 法律・税務:個別の判断は弁護士・司法書士・税理士に相談。一般の業者に遺言文案・税額計算は依頼しない。

第9章 注意点・ポイント

  • 非弁・非税理士:遺品整理業者が「遺言の文案を代筆」「相続税を計算」することは法律で禁止。そうした提案があれば依頼しない。
  • 押し買い:売る気がないのに買い取りを迫る・著しく安い価格で買い取る行為は規制対象。断りづらくても「考えてからにします」でよい。
  • 無料相談の活用:自治体の窓口は無料で終活・相続の案内をしていることが多い。まず公的窓口で「誰に聞けばいいか」を確認するのも有効。

おわりに

実家じまいは、片付けと手続きの両方が重なり、期限や兄弟との調整もあり、一人で抱え込むには負担が大きいテーマです。本ガイドブックでは、チェック項目で抜け漏れを防ぎ、実行フローで「いつ・何を・どの順で」を明確にし、注意点・ポイントで現場でよくある落とし穴を避けられるよう、専門家の視点でまとめました。全体フロー(6フェーズ)と各章のチェック・フロー・ポイント、付録の総合リストを手元に置き、「失敗しない実家じまい」の一歩を踏み出していただければ幸いです。

個別の法律・税務・相続の手続きは、弁護士・司法書士・税理士にご相談ください。当サイトの診断ツールやチェックリストも、実家じまいの進め方の参考にご利用いただけます。


付録1:実家じまい 総合スケジュール・チェックリスト(抜け漏れ防止用)

本付録は、本文のPhase 0〜5と各章のチェックを一覧で確認するための総合リストです。該当する□にチェックを入れながら進めてください。

Phase 0:準備

□ きっかけの確認(相続発生/施設移転/将来備え)
□ エンディングノート・財産一覧の有無確認
□ 相続人・親族の連絡先リスト
□ 本ガイドの期限一覧を読んだ

Phase 1:法的スタート

□ 遺言の有無・種類の確認(自筆は開封しない)
□ 検認の要否確認と申立て準備(自筆証書の場合)
□ 戸籍の取り寄せと相続人一覧の作成
□ 財産の洗い出し(預貯金・不動産・有価証券・保険・貴金属・車等)
□ 負債・未払いの洗い出し
□ 相続税の申告要否を税理士に相談

Phase 2:家族の役割・スケジュール

□ 役割を「名前」で決定し、記録に残した
□ 目標時期(片付け完了・売却検討等)を共有
□ 連絡手段と報告ルールの決定
□ 遺産分割の進め方の話し合い
□ 合意内容を議事メモ・メールで残した

Phase 3:片付け

□ 重要書類・通帳・権利証・印鑑の保管場所を特定し、処分対象から除外
□ 貴金属・着物・骨董を捨てずにリスト化
□ 片付けの優先順位を決定
□ 業者に頼む場合、2社以上から書面で見積もり取得
□ 形見・思い出の品のルールを家族で合意

Phase 4:不動産

□ 売却・賃貸・活用・更地・保留の方針を決定
□ 相続登記の要否確認(売却する場合)
□ 査定の依頼(1社以上)
□ 空き家対策(自治体)の確認
□ 固定資産税・管理費の負担者・時期の決定

Phase 5:手続き完了

□ 遺言の検認完了(該当する場合)
□ 遺産分割協議書の作成・全員署名押印(相続人が複数の場合)
□ 相続登記の申請
□ 預貯金・有価証券・保険の名義変更・解約
□ 相続税の申告・納付(該当する場合)
□ 公共料金・契約の解約・名義変更


付録2:業者選びのポイントと実行フロー(実家の片付け・遺品整理)

業者選び チェック項目

□ 2社以上から書面で見積もりを取った
□ 見積もりに「作業範囲・搬出物・オプション料金・支払条件」が明記されている
□ 口頭だけの約束にしていない
□ 無理な販売・押し買いをしないと明記している業者を選んだ
□ 査定を依頼する場合、根拠を説明してくれる・断りやすい業者を選んだ
□ 契約前に「何をするか」「いくらかかるか」を書面で確認した

業者依頼 実行フロー

  1. 依頼先の選定:一括見積もりまたは2社以上に問い合わせ。
  2. 現地見積もり:作業範囲(部屋・物の種類)を伝え、書面で見積もりを受け取る。
  3. 比較:総額・作業内容・支払条件を比較。相場から著しく安い・高い場合は理由を確認。
  4. 契約:契約書で範囲・金額・追加料金の有無・支払いタイミングを確認。
  5. 作業当日:買取は「希望するものだけ」と伝え、居座り勧誘には応じない。

注意点(押し買い・トラブル)

  • 見積もりは必ず書面で。口頭だけは後からトラブルになりやすい。
  • 「今すぐ決めないと」「見積もり無料」を盾に居座って買い取りを迫る・著しく安い価格で買い取る → 押し買い。断り、心配なら消費者ホットライン「188」・国民生活センターに相談。
  • 査定の根拠を説明してくれる・断りやすい・無理な販売をしないと明記している業者を選ぶ。

付録3:悩み別「誰に聞く?早見表」(縮約版)

悩み相談先
遺言・相続の手続き弁護士・司法書士
相続税税理士
登記・名義変更司法書士
実家を売りたい不動産会社
片付けを頼みたい遺品整理・生前整理業者
遺産分割で揉めそう弁護士
押し買い・悪質業者消費者ホットライン188・国民生活センター

付録4:実家じまい 全体実行フロー図(テキスト)

以下のフローを「いつ・何を・どの順で」の指針として使ってください。分岐はご自身の状況に合わせて選択してください。

【開始】
  │
  ├─ 親が亡くなった → パターンA
  ├─ 親が施設等に移った → パターンB
  └─ 親はまだ実家に居住 → パターンC(情報共有・将来の役割の話し合い)
  │
  ▼
【Phase 0】準備・情報収集
  □ きっかけの確認  □ 財産・エンディングノートの有無  □ 期限一覧の把握
  │
  ▼
【Phase 1】法的スタート
  □ 遺言の有無確認(自筆は開封しない)
  □ 相続人確定(戸籍取得)  □ 財産・負債の洗い出し
  □ 税理士に申告要否相談(該当する場合)
  │
  ▼
【Phase 2】家族の役割・スケジュール
  □ 役割を名前で決定  □ 目標時期の共有  □ 記録を残す
  │
  ▼
【Phase 3】実家の片付け
  □ 重要書類・貴重品を確保(処分対象から除外)
  □ 不用品から処分  □ 業者に頼む場合は書面で見積もり複数社
  □ 形見・思い出の品のルールを合意
  │
  ▼
【Phase 4】不動産の方針
  □ 売却・賃貸・活用・更地・保留を決定
  □ 相続登記(売却・活用する場合)  □ 査定依頼
  │
  ▼
【Phase 5】相続手続きの完了
  □ 検認(自筆証書等の場合)  □ 遺産分割協議書(相続人複数の場合)
  □ 相続登記  □ 預貯金・保険等の名義変更  □ 相続税申告(該当する場合)
  │
  ▼
【完了】

ポイント:Phase 1を飛ばすと、後から「相続人が足りない」「遺言が未検認」で手続きが止まります。まず法的スタートを確実に。


付録5:専門家がみる「ここが抜けやすい」リスト

過去の支援事例で抜けがちな点をまとめました。チェックして漏れを防いでください。

  • 遺言を開封してしまう:自筆証書は検認前に開封しない。
  • 相続人を1人でも漏らす:再婚・連れ子・認知した子・代襲相続を戸籍で確認。
  • 書類・通帳を「ゴミ」と一緒に捨てる:片付けの前に「触らないエリア」を決める。
  • 価値がわからないものを捨てる:着物・骨董・貴金属は査定してから処分方法を決める。
  • 業者と口頭だけの約束:見積もり・契約は必ず書面で。
  • 登記を後回しにする:売却するなら相続登記を先に。
  • 10か月の期限を忘れる:相続税の申告要否を早めに税理士に相談。
  • 兄弟で役割を「名前」で書かない:「長男が」だと後からすれ違いの原因に。
  • 話し合いの記録を残さない:合意内容はメールや議事メモで共有。
  • 押し買いに応じてしまう:「考えてからにします」で断る。怪しければ188に相談。

本ガイドブックは情報提供を目的としており、個別の法律・税務・相続の手続きは弁護士・司法書士・税理士にご相談ください。

本ガイドは情報提供であり、個別の法律・税務・相続の手続きは弁護士・司法書士・税理士にご相談ください。

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