空き家解体補助金の実態調査2026「公式に確認できた」133自治体を集計したら、中央値は50万円でした
生前整理支援センター ふれあいの丘編集部は、全国1,726自治体のデータベースをもとに、 空き家解体(除却)補助金の実態を調査しました。要点は3つです。①確認済み129自治体の上限額の中央値は50万円(最頻帯は31〜50万円・40%)。②「補助金がある」と民間サイトに書かれていても、公式には存在しない・終了済み・別自治体との混同という例が実査で見つかった。③「解体補助」に見えて、実は建替えや定住が条件の制度がある——金額だけで判断すると、想定していた使い方ができないことがあります(2026年8月14日時点・ふれあいの丘調べ)。
50万円
確認済み上限額の中央値
40%
最も多い帯は「31〜50万円」
133自治体
公式ページで個別確認済み(35都道府県)
※ 自治体公式ページを実取得・本文検証し、制度名・上限額・条件・受付期間を人が個別承認したものだけを「確認済み」として集計(fail-closed方式)。 上限額を数値化できたのは129自治体。基準日2026年8月14日時点・確認済みデータは120日サイクルで再確認しています。
発見1: 上限額の中央値は50万円。「31〜50万円」が最多
数値化できた129自治体の上限額は、最小20万円・最大550万円・中央値50万円・平均約76万円でした。
| 上限額の帯 | 自治体数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 〜20万円 | 10 | 8% |
| 21〜30万円 | 17 | 13% |
| 31〜50万円 | 51 | 40% |
| 51〜100万円 | 34 | 26% |
| 100万円超 | 17 | 13% |
「最大○百万円」という見出しを目にすることもありますが、公式に確認できた範囲では、最も多いのは31〜50万円の帯(40%)で、100万円を超える制度は129自治体中17でした。 解体費用の全額をまかなえるケースは多くなく、「費用の一部を軽くする制度」と捉えるのが実態に近いと言えます。 なお、上限が数百万円にのぼる制度は対象地区の限定・特定空家等の認定・時限措置といった強い条件付きが通例で、 金額の大きさがそのまま「誰でも使える」ことを意味しない点に注意が必要です(発見4参照)。
発見2: 確認済み上限額トップ10
| 自治体 | 制度名 | 上限額 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 福井県南越前町 | 空き家等除却支援事業補助金 | 550万円(特定空家・管理不全空家、補助率4/5。令和7年7月拡充・令和9年度までの時限) | 公式ページ |
| 東京都渋谷区 | 整備地域等不燃化集中促進事業(老朽建築物の除却) | 240万円(木造。非木造は320万円。対象地域限定) | 公式ページ |
| 鳥取県湯梨浜町 | 老朽危険空き家等除却支援事業 | 200万円(町の指導・勧告等を受けた特定空家等限定。一般空き家の早期除却は上限30万円) | 公式ページ |
| 高知県三原村 | 老朽住宅等の除却補助事業 | 164.5万円(公式表記は上限1,645,000円・対象経費の8/10以内) | 公式ページ |
| 高知県大月町 | 大月町老朽住宅等除去事業 | 164.5万円(公式表記は上限1,645,000円・除去工事費×0.8等) | 公式ページ |
| 高知県佐川町 | 佐川町老朽住宅除却事業費補助金 | 164.5万円(公式表記は上限1,645,000円) | 公式ページ |
| 兵庫県丹波市 | 令和8年度老朽危険空き家解体撤去支援事業補助金 | 160万円(区分により20〜160万円) | 公式ページ |
| 福井県高浜町 | 高浜町老朽危険空き家等除却支援事業 | 150万円(老朽危険空き家・工事費の3/4以内) | 公式ページ |
| 東京都杉並区 | 老朽危険空家除却費用の助成制度 | 150万円(除却工事費の80%以内) | 公式ページ |
| 山口県長門市 | 長門市老朽危険空家等除却促進事業 | 150万円(延床面積200〜500㎡。200㎡未満は100万円) | 公式ページ |
※ 上限額は制度の最大値です。多くの制度は建物の状態や区域、世帯要件によって上限が変わります。 高知県の3町村(三原村・大月町・佐川町)は、上限1,645,000円という共通の金額を採用しています。 東京都中野区には面積区分制でこれらを上回る制度(大和町地区限定・木造最大792万円)がありますが、 対象地区が限られ空き家以外の老朽建築物も対象の制度のため、本表では全域対象の制度を中心に掲載しています。
発見3: 「補助金があると思ったら、公式には無かった」3つの実例
今回の調査で最も重要な発見は、「補助金がある」という情報自体が古い・不正確なことがあるという点です。 複数の民間まとめサイトに掲載されていた3つの自治体について公式ページを確認したところ、次のことが分かりました。
- ・愛知県犬山市: 旧制度(〜令和7年度・上限20万円)はすでに終了しており、公式ページも削除済みでした。「上限20万円の補助金あり」という情報は過去のものです。
- ・兵庫県丹波篠山市: 解体補助制度は存在しませんでした。民間サイトに見られる「最大80万円」という記載は、隣接する丹波市の制度との混同とみられます。名前の似た自治体は取り違えが起きやすい典型例です。
- ・東京都港区: 「最大100万円」という情報がありますが、これは耐震建替え助成であり、建替えを伴わない解体単独は対象外です。空き家専用の解体補助は確認できませんでした。
これは自治体側の問題ではなく、制度の改廃スピードに二次情報が追いついていないことが原因です。 だからこそ、金額を見て動き出す前に、必ず自治体の公式ページと担当課で最新情報を確認することをおすすめします。
発見4: 「解体補助」に見えて条件付きの制度がある
上限額だけを見て比較すると、見落としやすい類型が3つあります。
- ・建替えが条件のタイプ: 山梨県大月市の制度は「空き家解体に伴う跡地利活用」が趣旨で、解体後1年以内の建替えが前提です。更地にして手放したい人には合いません。
- ・新築+定住が条件のタイプ: 群馬県榛東村は新築と10年定住が条件となる類型で、村内業者施工か否かでも上限が変わります(村内業者50万円/村外業者25万円)。
- ・耐震施策の一部として除却を助成するタイプ: 東京都立川市など、木造住宅の耐震化事業の除却メニューとして助成する自治体があります。空き家対策の補助とは要件体系が異なります。
また、確認済み133自治体の受付情報を見ると、「予算に達し次第終了」が標準的な運用でした。 「先着3棟」のように枠が極めて小さい例もあり、年度後半は締切リスクが高くなります。締切・予算先着の実態は「締切・予算先着」実態調査2026で詳しく分析しています。
自分の自治体で確認する手順
- 自治体公式サイト内検索で「空き家 解体 補助」「除却 補助」を検索する(外部の検索結果ではなく、必ず公式ドメイン内の情報を見る)。
- 制度ページで「対象となる建物の要件」「補助率と上限」「受付期間」の3点を確認する。「危険」「不良」「特定空家」等の認定が前提の制度が多くあります。
- 担当課(建築住宅課・都市計画課など)に、今年度の予算枠と受付状況を確認する。「制度はあるが今年度分は締め切った」ということが起こり得ます。
- 申請は必ず工事契約・着工の前に。着工後の申請を認めない自治体が一般的です。
なお、本記事は制度の一般的な情報整理であり、個別の税務・法務の判断には踏み込みません。 最新の制度内容・要件は必ず各自治体の公式窓口でご確認ください。お住まいの市区町村の確認済み情報は都道府県別データから辿れます。
引用・二次利用について
本記事の数値・表は、出典として「ふれあいの丘調べ」と当ページのURLを明記いただければ、報道・ブログ・SNS等で自由に転載・引用いただけます(CC BY 4.0)。 データの詳細や追加集計が必要な場合はお問い合わせください。
更新履歴: 2026-08-07 初版公開(確認済み82自治体・31都道府県)/ 2026-08-14 確認済みを133自治体・35都道府県へ拡大し全数値を再集計 (中央値50万円は不変。福井県南越前町の550万円など高額制度の確認を追加)。
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