空き家解体補助金の実態調査2026「公式に確認できた」82自治体を集計したら、中央値は50万円でした
生前整理支援センター ふれあいの丘編集部は、全国1,726自治体のデータベースをもとに、 空き家解体(除却)補助金の実態を調査しました。要点は3つです。①確認済み78自治体の上限額の中央値は50万円(最頻帯は31〜50万円・50%)。②「補助金がある」と民間サイトに書かれていても、公式には存在しない・終了済み・別自治体との混同という例が実査で見つかった。③「解体補助」に見えて、実は建替えや定住が条件の制度がある——金額だけで判断すると、想定していた使い方ができないことがあります(2026年8月6日時点・ふれあいの丘調べ)。
50万円
確認済み上限額の中央値
50%
最も多い帯は「31〜50万円」
82自治体
公式ページで個別確認済み(31都道府県)
※ 自治体公式ページを実取得・本文検証し、制度名・上限額・条件・受付期間を人が個別承認したものだけを「確認済み」として集計(fail-closed方式)。 上限額を数値化できたのは78自治体。基準日2026年8月6日時点・確認済みデータは120日サイクルで再確認しています。
発見1: 上限額の中央値は50万円。「31〜50万円」が半数
数値化できた78自治体の上限額は、最小20万円・最大164.5万円・中央値50万円・平均約58万円でした。
| 上限額の帯 | 自治体数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 〜20万円 | 5 | 6% |
| 21〜30万円 | 14 | 18% |
| 31〜50万円 | 39 | 50% |
| 51〜100万円 | 14 | 18% |
| 100万円超 | 6 | 8% |
「最大○百万円」という見出しを目にすることもありますが、公式に確認できた範囲では、半数が31〜50万円の帯に収まり、100万円を超える制度は78自治体中6つでした。 解体費用の全額をまかなえるケースは多くなく、「費用の一部を軽くする制度」と捉えるのが実態に近いと言えます。
発見2: 確認済み上限額トップ10
| 自治体 | 制度名 | 上限額 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 高知県三原村 | 老朽住宅等の除却補助事業 | 164.5万円(公式表記は上限1,645,000円・対象経費の8/10以内) | 公式ページ |
| 高知県大月町 | 大月町老朽住宅等除去事業 | 164.5万円(公式表記は上限1,645,000円・除去工事費×0.8等) | 公式ページ |
| 高知県佐川町 | 佐川町老朽住宅除却事業費補助金 | 164.5万円(公式表記は上限1,645,000円) | 公式ページ |
| 兵庫県丹波市 | 令和8年度老朽危険空き家解体撤去支援事業補助金 | 160万円(区分により20〜160万円) | 公式ページ |
| 福井県高浜町 | 高浜町老朽危険空き家等除却支援事業 | 150万円(老朽危険空き家・工事費の3/4以内) | 公式ページ |
| 東京都杉並区 | 老朽危険空家除却費用の助成制度 | 150万円(除却工事費の80%以内) | 公式ページ |
| 高知県仁淀川町 | 仁淀川町空家対策総合支援事業費補助金 | 100万円(対象経費の4/5以内) | 公式ページ |
| 長野県阿智村 | 阿智村空き家等解体事業補助金 | 100万円(対象経費の1/2) | 公式ページ |
| 大阪府高石市 | 空き家除却補助制度 | 100万円(特定空家等は上限40万円) | 公式ページ |
| 愛知県日進市 | 日進市不良空家除却促進補助金 | 90万円(費用の4/5以内) | 公式ページ |
※ 上限額は制度の最大値です。多くの制度は建物の状態や区域、世帯要件によって上限が変わります。 上位3町村(いずれも高知県)は、上限1,645,000円という共通の金額を採用しています。
発見3: 「補助金があると思ったら、公式には無かった」3つの実例
今回の調査で最も重要な発見は、「補助金がある」という情報自体が古い・不正確なことがあるという点です。 複数の民間まとめサイトに掲載されていた3つの自治体について公式ページを確認したところ、次のことが分かりました。
- ・愛知県犬山市: 旧制度(〜令和7年度・上限20万円)はすでに終了しており、公式ページも削除済みでした。「上限20万円の補助金あり」という情報は過去のものです。
- ・兵庫県丹波篠山市: 解体補助制度は存在しませんでした。民間サイトに見られる「最大80万円」という記載は、隣接する丹波市の制度との混同とみられます。名前の似た自治体は取り違えが起きやすい典型例です。
- ・東京都港区: 「最大100万円」という情報がありますが、これは耐震建替え助成であり、建替えを伴わない解体単独は対象外です。空き家専用の解体補助は確認できませんでした。
これは自治体側の問題ではなく、制度の改廃スピードに二次情報が追いついていないことが原因です。 だからこそ、金額を見て動き出す前に、必ず自治体の公式ページと担当課で最新情報を確認することをおすすめします。
発見4: 「解体補助」に見えて条件付きの制度がある
上限額だけを見て比較すると、見落としやすい類型が3つあります。
- ・建替えが条件のタイプ: 山梨県大月市の制度は「空き家解体に伴う跡地利活用」が趣旨で、解体後1年以内の建替えが前提です。更地にして手放したい人には合いません。
- ・新築+定住が条件のタイプ: 群馬県榛東村は新築と10年定住が条件となる類型で、村内業者施工か否かでも上限が変わります(村内業者50万円/村外業者25万円)。
- ・耐震施策の一部として除却を助成するタイプ: 東京都立川市など、木造住宅の耐震化事業の除却メニューとして助成する自治体があります。空き家対策の補助とは要件体系が異なります。
また、確認済み82自治体の受付情報を見ると、「予算に達し次第終了」が標準的な運用でした。 「先着3棟」のように枠が極めて小さい例もあり、年度後半は締切リスクが高くなります。締切・予算先着の実態は「締切・予算先着」実態調査2026で詳しく分析しています。
自分の自治体で確認する手順
- 自治体公式サイト内検索で「空き家 解体 補助」「除却 補助」を検索する(外部の検索結果ではなく、必ず公式ドメイン内の情報を見る)。
- 制度ページで「対象となる建物の要件」「補助率と上限」「受付期間」の3点を確認する。「危険」「不良」「特定空家」等の認定が前提の制度が多くあります。
- 担当課(建築住宅課・都市計画課など)に、今年度の予算枠と受付状況を確認する。「制度はあるが今年度分は締め切った」ということが起こり得ます。
- 申請は必ず工事契約・着工の前に。着工後の申請を認めない自治体が一般的です。
なお、本記事は制度の一般的な情報整理であり、個別の税務・法務の判断には踏み込みません。 最新の制度内容・要件は必ず各自治体の公式窓口でご確認ください。お住まいの市区町村の確認済み情報は都道府県別データから辿れます。
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