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遺品整理業者の選び方|許可と遺品整理士

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遺品整理業者の選び方|許可と遺品整理士

遺品整理業者はインターネットで検索すれば何社も出てきますが、広告の文言からは「任せて大丈夫な会社かどうか」が読み取れません。判断の手がかりになるのは、料金の安さでも口コミの数でもなく、法律で求められている許可を持っているかどうかです。この記事では、国民生活センターが公表している相談データと実際の相談事例をもとに、契約する前に確認する項目を順番にお伝えします。

遺品整理業者を選ぶとき、最初に確認するのは一般廃棄物処理業の許可

家庭から出た遺品をごみとして運び出すには、市町村から委託を受けた事業者か、市町村長から「一般廃棄物処理業の許可」を受けた事業者である必要があります。環境省は「ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の『一般廃棄物処理業許可』や委託が必要です。『産業廃棄物処理業の許可』や『古物商の許可』では回収できません」と明示しています(出典:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」)。

遺品整理業者を名乗る会社のすべてが、この許可を自社で持っているわけではありません。一般廃棄物処理業の許可は市町村ごとに出されるもので新規取得が難しく、許可を持つ事業者と提携して廃棄物の部分だけを任せる形をとっている業者も多くあります。提携そのものは問題ではありませんが、どこが運ぶのかを説明できない業者は避けてください。

確認するときの聞き方は、次の3つで足ります。

  • 「運び出した遺品は、どの事業者が処理しますか」——自社か提携先か、社名を答えられるかを見ます。
  • 「その事業者は、どの市町村の一般廃棄物処理業の許可を持っていますか」——許可は市町村単位なので、作業する家がある市町村の許可かどうかが重要です。
  • 「産業廃棄物の許可ではなく、一般廃棄物の許可ですか」——産業廃棄物処理業の許可では家庭のごみを運べません。

国民生活センターは2025年10月30日の見守り新鮮情報 第525号で、無許可事業者による不用品の処分は法律違反となり不法投棄などにつながりかねないとして、住んでいる市町村の窓口に照会するなどして事業者選びを慎重にするよう呼びかけています(出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」2025年10月30日)。市区町村の担当窓口では、その市町村で許可を受けている事業者を確認できます。

遺品を買い取ってもらうなら、古物商許可証と行商従業者証を確認する

遺品を買い取る事業者には、古物営業法にもとづく都道府県公安委員会の許可(古物商許可)が必要です。国民生活センターは見守り新鮮情報 第525号で、買い取ってもらう際には「古物商許可証」や「行商従業者証」を確認するよう案内しています。廃棄物を運ぶ許可と買い取る許可は別のものなので、整理と買取を同じ業者に頼む場合は両方を確認します。

古物営業法では、古物商が代理人や従業者に行商をさせるときは国家公安委員会規則で定める様式の行商従業者証を携帯させることとされ、取引の相手方から許可証または行商従業者証の提示を求められたときは提示しなければならないと定められています(古物営業法第11条第2項・第3項)。提示を求めることは、買い取ってもらう側の正当な確認です。

買取額を作業費から差し引く「相殺」に対応する業者もあります。相殺を希望する場合は、査定の対象・査定額の伝え方・相殺の計算方法を見積書に書いてもらってください。

遺品整理士は、一般財団法人遺品整理士認定協会が認定する民間資格

「遺品整理士在籍」と書かれた業者をよく見かけますが、遺品整理士は国家資格ではなく、一般財団法人遺品整理士認定協会(北海道千歳市、理事長 木村榮治)が認定する民間資格です。協会は、遺品整理業の社会的役割と事業者数の増加にともなうモラルの低下を正すことを目的に、養成講座の運営と認定を行っていると説明しています(出典:一般財団法人遺品整理士認定協会 公式サイト)。協会の公式サイトでは、2024年6月3日に遺品整理士の会員数が60,000名を突破したことが公表されています。

遺品整理士が在籍していることは、廃棄物の扱いや遺族への対応について一定の講習を受けた担当者がいる目安にはなります。ただし民間資格である以上、資格の有無が会社としての品質や許可の有無を保証するものではありません。「遺品整理士がいるか」は、一般廃棄物処理業の許可・古物商許可・見積書の内容と並べて見る、いくつかある確認項目の1つとして扱ってください。資格の取り方・費用・認定カードの確かめ方は遺品整理士とは|取り方・費用と業者の見方で整理しています。

なお、名称の似た団体が複数あります。認定業者を探す目的でウェブサイトを見るときは、団体名を正確に確かめてください。

国民生活センターの相談では、58.5%が訪問販売の形で契約されていた

国民生活センターが2018年7月19日に公表した報道発表資料「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」によると、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された遺品整理サービスの相談522件のうち、販売購入形態が判明したもの(n=272)では「訪問販売」での契約が58.5%と最も多くなっていました(出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」2018年7月19日)。

同資料は、インターネットやチラシで見つけた事業者に連絡し、自宅で契約するケースが多いため訪問販売が多くなっていると説明しています。つまり「見積もりに来てもらい、その場で契約する」という、多くの遺族がたどる流れそのものがトラブルの温床になっています。相談内容の内訳は「契約・解約」が372件(71.3%)で最も多く、「価格・料金」36.2%、「販売方法」32.8%と続きます(n=522)。

契約当事者は女性が67.1%、男性が32.9%(n=502)で、女性が男性の約2倍を占めています。年代は70歳代21.0%、60歳代20.8%、50歳代20.1%、80歳以上17.3%と、50歳代以上で約8割にのぼります(n=433)。親や配偶者を亡くした直後という、判断に時間をかけにくい状況で契約が結ばれていることが読み取れます。

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遺品整理の見積もりを、複数の業者で比べたいとき

遺品整理の費用は、部屋の広さや荷物の量、搬出の条件で大きく変わります。遺品整理110番は、遺品整理業者を紹介して見積もりの手配をするサービスです。1社だけで決めず、条件を並べて比べたいときの窓口として使えます。

  • 作業する部屋の広さと荷物の量
  • 貴重品・思い出の品の探し方と扱い
  • 一般廃棄物の許可(または市区町村の委託)の確認
  • 追加料金が発生する条件とキャンセル規定
見積もりは契約を約束するものではありません。紹介される業者・対応エリア・料金は、移動先の公式ページと各業者の見積書でご確認ください。不用品回収だけの依頼は対象外の場合があります。
遺品整理110番で見積もりの条件を確認する

遺品整理業者の紹介サービス「遺品整理110番」の公式サイトへ移動します

公表された相談事例から分かる、契約前に止めるべき4つの場面

国民生活センターが公表した4つの相談事例は、契約のどの段階で何が起きるのかを具体的に示しています。いずれも、契約書や見積書に書かれていない条件が後から持ち出された点が共通しています。

  1. その場での契約をせかされる:見積もりのつもりで呼んだ事業者から「今日決めてもらったら安くなる」「早く決めた方が早く始められる」と言われ、その場で324,000円の契約をした例(2018年4月受付、60歳代女性、兵庫県)。見積書には「作業日の2日前まで違約金10%」と書かれていましたが、説明は受けていませんでした。
  2. キャンセル料の説明がないまま契約する:3日間の作業で37万円という契約をした後、20万円で作業する事業者が見つかったためキャンセルを申し出たところ、17万円のキャンセル料を請求された例(2017年7月受付、60歳代男性、岐阜県)。
  3. 追加料金の条件が書面にない:見積金額141,000円(スタッフ4人の人件費76,000円、2トントラック1台25,000円、トラック1台分の廃棄物処理代40,000円)で依頼したところ、当日にトラック1台ごとに4万円の先払いを求められ、最終的に32万円を請求された例(2018年2月受付、60歳代女性、滋賀県)。見積書にも契約書にも追加費用の記載はありませんでした。
  4. 残すよう伝えた遺品が処分される:3社から見積もりを取り、一番安い事業者に依頼したところ、処分しないよう指示していた自分の持ち物(ラジカセ・DVDプレーヤー・ゲーム機・布団・辞書)が運び出された例(2017年10月受付、50歳代男性、愛知県)。

国民生活センターが2025年10月30日に公表した見守り新鮮情報 第525号でも、当初20万円ぐらいと聞いていた料金が作業後に30万円になった例(見積書をもらっていなかった)と、大切な書類を残す約束だったのにアルバムや回線のつながっている電話機まで処分され、ゴミ処理場に運搬済みで取り戻せないと言われた例が紹介されています。

業者を比べるときに見るのは、料金より5つの条件

複数の業者から見積書を取ったら、合計金額を並べる前に条件をそろえます。国民生活センターは、最低限、必ず複数の事業者から見積もりを取り、料金と契約内容を比較検討するよう呼びかけています。比べるのは次の5点です。

  1. 許可の所在:廃棄物を運ぶ事業者名と、その事業者が許可を受けている市町村。買取があるなら古物商許可証の確認。
  2. 作業内容の範囲:何部屋ぶんか、どの家具・家電を含むか、清掃はどこまでか。作業日数と作業人数も書面に入れてもらいます。
  3. 料金の内訳:人件費・車両費・廃棄物処分費・オプションが項目ごとに分かれているか。「一式」だけの見積書は比べられません。
  4. 追加料金が発生する条件と単価:どんなときに、いくら増えるのか。トラックが1台増えた場合の金額まで書いてもらいます。
  5. キャンセル料の発生時期と金額:いつから、契約金額の何%が発生するのか。契約の前に確認します。

見積もりそのものに出張料や見積料がかかる場合もあるため、事業者を呼ぶ前に料金が発生するかを確かめておきます。金額の内訳と比べ方は 遺品整理の料金相場|見積書の比べ方 で詳しくまとめています。

クーリング・オフができる場合と、できない場合がある

見積もりを取るつもりで自宅に来てもらった事業者とその場で契約した場合は、特定商取引法(特商法)の訪問販売に該当し、クーリング・オフができる場合があります。国民生活センターによると、不備のない正しい記載がなされた契約書面を受け取った日から8日以内であれば無条件で行使でき、契約代金の一部をすでに支払っている場合もその返還を請求できます。

一方で、消費者が自分の住居で契約を締結することを事業者に請求して行われた訪問販売は、特商法の適用除外となりクーリング・オフができません。「見積もりに来てほしい」と呼んだのか、「契約しに来てほしい」と呼んだのかで扱いが変わるため、業者を呼ぶときの伝え方そのものが後の選択肢を左右します。

また、契約の大切な部分について事実と違うことを告げられた場合などは、それに気付いてから1年以内であれば契約の取消しを行うことができるとされています。適用の可否は個別の事情によって変わるため、トラブルになったときは、住んでいる自治体の消費生活センター等に早めに相談してください。全国共通の電話番号は消費者ホットライン 188(いやや) です。

業者を呼ぶ前に、家族で3つだけ決めておく

業者の質にかかわらず、依頼する側が決めていないことは現場で決まりません。国民生活センターは、残しておきたい大切な遺品は作業が行われる部屋からあらかじめ運び出し、難しい場合は残す遺品と処分する遺品を分けて作業員が分かるように印をつけ、作業時はできるだけ立ち会うよう勧めています。

  • 残す遺品を分けて印をつける:通帳・契約書・保険証券などの書類、写真・アルバム・ビデオテープ・USBメモリといった記録媒体は、一度運び出されると戻りません。別室へ移すか、はっきり分かる印をつけます。
  • 立ち会う人を決める:全員が集まれない場合でも、当日に判断できる人を1〜2名決めておきます。立ち会いがないまま作業が始まると、判断が要るものが出たところで作業が止まります。
  • 「捨てない」と決めたものの置き場所を決める:家族それぞれが残したいものを持ち寄り、作業前に1か所へまとめておくと、当日の指示が短い言葉で済みます。

準備の抜けを紙で確認したい方向けに、遺品整理チェックリスト(無料PDF) を用意しています。残す遺品の分け方と、見積もりを取るときに業者へ確認する項目をまとめた1枚です。

まとめ——許可の確認と、書面でそろえた見積書で選ぶ

遺品整理業者は、料金の安さや広告の言葉ではなく、許可と書面で選べます。契約を急がされる場面こそ、いったん止めて確認する価値があります。

  • 家庭ごみを運ぶには、市町村の委託または一般廃棄物処理業の許可が必要。産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できない(環境省)。
  • 遺品を買い取る事業者には古物商許可が必要。買取時は古物商許可証・行商従業者証を確認する(国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号/古物営業法第11条)。
  • 遺品整理士は一般財団法人遺品整理士認定協会が認定する民間資格。国家資格ではなく、許可の代わりにはならない。
  • 国民生活センターの相談522件では、販売購入形態の58.5%が訪問販売。相談内容は「契約・解約」が71.3%と最多。
  • 比べるのは料金ではなく、許可の所在・作業内容の範囲・料金の内訳・追加料金の条件と単価・キャンセル料の5点。
  • 見積もりのつもりで呼んだ事業者とその場で契約した場合、契約書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができる場合がある。

遺品整理の全体の流れをまず把握したい方は 遺品整理とは?全体像と進め方 をご覧ください。相続手続きや遺品の財産的な評価にかかわる個別の判断は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

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編集・運営:株式会社Kogera「生前整理支援センター ふれあいの丘」。 実家じまい・遺品整理・生前整理の進め方を、当事者とご家族の目線でわかりやすくお届けしています。