GUIDEこの記事は実家じまい完全ガイドフェーズ03「片付ける」の解説記事です

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遺品整理の料金相場|見積書の比べ方

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遺品整理の料金相場|見積書の比べ方

「遺品整理にいくらかかるのか」を調べると、間取り別の料金相場をまとめた表がいくつも出てきます。けれども遺品整理の料金には、国や業界団体が調査してまとめた公的な統計がありません。この記事では、国民生活センターが公表している相談データという数少ない一次情報から分かることを示したうえで、金額表ではなく見積書の中身で業者を比べる手順をお伝えします。

遺品整理の料金相場には、国がまとめた公的な統計が存在しない

遺品整理の料金相場について、国・自治体・業界団体が調査して公表している統計は、2026年9月時点で見当たりません。検索すると出てくる「1R なら3万〜8万円」といった間取り別の相場表は、そのほとんどが遺品整理業者自身の実績をもとにした自社の目安であり、集計した件数・調査時期・対象地域が書かれていないものが大半です。

当サイトでは、出典をたどれない金額をこのページに載せない方針をとっています。遺品整理の料金を考えるときに根拠として使えるものは、次の2つに限られます。

  • 公的機関が公表している相談データ:国民生活センターが消費生活センター等に寄せられた相談を集計したもの。実際にやり取りされた金額が分かります。
  • 自分が取り寄せた複数の見積書:住んでいた家の広さ・荷物量・搬出条件が反映された、自分の家にとっての唯一の実額です。

相場表は「高すぎないか」を感覚的に確かめる材料にはなりますが、業者を選ぶ基準にはなりません。料金相場を知ることよりも、見積書を比べられる状態をつくるほうが、結果として支払う金額を抑えられます。

国民生活センターの相談データでは、契約金額の平均は約42万円だった

国民生活センターが2018年7月19日に公表した報道発表資料「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」によると、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された遺品整理サービスに関する相談522件では、契約購入金額の平均は約42万円、実際に支払った既支払額の平均は約30万円でした(2013年4月1日以降に受け付け、2018年6月30日までの登録分。出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」2018年7月19日)。

ここで気をつけたいのは、約42万円という金額が「遺品整理の相場」ではないことです。集計されているのは消費生活センター等に相談が寄せられた契約、つまり何らかの不満やトラブルがあった契約に限られます。相場より高い契約が多く含まれている可能性があり、平均値をそのまま自分の家に当てはめることはできません。

同じ資料によると、支払い手段の9割以上が現金などでの即時払い(一括払い)でした。作業当日にその場で全額を支払う形が一般的であるため、金額の妥当性は作業が始まる前に確かめておく必要があります。

遺品整理サービスに関する相談件数の推移は、同資料で次のように公表されています。

年度

PIO-NET に登録された相談件数

2013年度

73件

2014年度

109件

2015年度

90件

2016年度

114件

2017年度

105件

年間100件前後で推移しており、遺品整理サービス全体から見れば多い数ではありません。ただし相談内容は「契約・解約」が372件(71.3%)と最も多く、次いで「価格・料金」が36.2%、「販売方法」が32.8%を占めています(n=522)。料金そのものより、契約の内容が詰められていないことが、トラブルの中心にあります。

公表された見積書の実例は「人件費・車両費・廃棄物処分費」で構成されていた

国民生活センターが公表した相談事例のなかには、遺品整理の見積書の内訳がそのまま記載されているものがあります。一人暮らしをしていた母親の実家を整理するために依頼した事業者の見積金額は141,000円で、その内訳はスタッフ4人の人件費76,000円、2トントラック1台25,000円、トラック1台分の廃棄物処理代40,000円でした(2018年2月受付、60歳代女性、滋賀県。出典:国民生活センター 2018年7月19日公表資料 事例3)。

遺品整理の料金は、この3つが柱になります。人件費は「作業員の人数 × 作業日数」、車両費は「トラックの大きさ × 台数 × 往復回数」、廃棄物処分費は「運び出した量」で決まるため、荷物が多い家ほど3つとも同時に増えていきます。間取りが料金の目安として使われるのは、間取りが荷物量と搬出の手間をおおまかに表すからにすぎません。

ただし同じ事例では、作業当日に「トラック1台分ごとに4万円を先払いしなければ廃棄物処理ができない」と言われて3往復ぶんを現金で支払い、最終的に請求額は32万円、見積金額の約2倍になっています。見積書に単価が書かれていても、どこまでの量がその金額に含まれるのかが書かれていなければ、当日の追加請求を止められません。

見積書で比べるのは金額ではなく、5つの条件

複数の業者から見積書を取ったら、合計金額を並べる前に、前提条件がそろっているかを確認します。前提が違う見積書は、金額を比べても意味がありません。国民生活センターも、料金と契約内容を比較検討したうえで、作業内容とその費用を明確に出してもらうよう呼びかけています。

  1. 間取りと荷物量の前提:何部屋ぶんの整理か、残置された家具・家電のどれを含むか。写真だけの見積もりではこの前提がずれやすいため、現地を見てもらったうえで書面にしてもらいます。
  2. 作業人数と作業日数:人件費は人数と日数で決まります。「4人 × 1日」と「2人 × 2日」では同じ延べ人数でも当日の進み方が変わります。
  3. 搬出条件:トラックの大きさと台数、何往復までを含むか、階数とエレベーターの有無、トラックを停められる位置までの距離。搬出条件は当日の追加請求の口実になりやすい項目です。
  4. 追加料金が発生する条件と単価:どんなときに、いくら増えるのかを書面に残してもらいます。書面になければ、作業が始まってからの請求に反論する材料がありません。
  5. キャンセル料の発生時期と金額:いつから、契約金額の何%が発生するのか。国民生活センターに寄せられた相談では、3日間の作業で37万円という契約をキャンセルしたところ、17万円のキャンセル料を請求された例(2017年7月受付、60歳代男性、岐阜県)や、見積書に「作業日の2日前まで違約金10%」と書かれていたものの説明を受けていなかった例(2018年4月受付、60歳代女性、兵庫県)が報告されています。

あわせて、業者を呼ぶ前に「見積もりそのものに出張料や見積料がかかるか」を確認しておきます。国民生活センターは、見積もりの際に出張料・見積料の名目で料金を請求される場合があるとして、事業者を呼ぶ前の確認を勧めています。

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遺品整理の見積もりを、複数の業者で比べたいとき

遺品整理の費用は、部屋の広さや荷物の量、搬出の条件で大きく変わります。遺品整理110番は、遺品整理業者を紹介して見積もりの手配をするサービスです。1社だけで決めず、条件を並べて比べたいときの窓口として使えます。

  • 作業する部屋の広さと荷物の量
  • 貴重品・思い出の品の探し方と扱い
  • 一般廃棄物の許可(または市区町村の委託)の確認
  • 追加料金が発生する条件とキャンセル規定
見積もりは契約を約束するものではありません。紹介される業者・対応エリア・料金は、移動先の公式ページと各業者の見積書でご確認ください。不用品回収だけの依頼は対象外の場合があります。
遺品整理110番で見積もりの条件を確認する

遺品整理業者の紹介サービス「遺品整理110番」の公式サイトへ移動します

料金が極端に安い業者は、家庭ごみを運ぶ許可を持っていないことがある

家庭から出た遺品をごみとして運び出すには、市町村から委託を受けた事業者か、市町村長から「一般廃棄物処理業の許可」を受けた事業者である必要があります。環境省は「ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の『一般廃棄物処理業許可』や委託が必要です。『産業廃棄物処理業の許可』や『古物商の許可』では回収できません」と明示しています(出典:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」)。

許可を持たない事業者が安い料金を提示できるのは、適正な処理費用を負担していないからです。国民生活センターが2022年11月2日に公表した資料では、無許可の事業者が「定額パック××円」「トラック詰め放題△△円〜」といった安価な料金を広告に表示しながら、実際には基本料金のほかに人件費や廃棄費用などさまざまな名目で追加料金が発生する実態が示されています。不用品回収サービスに関する相談件数は、2018年度1,354件、2019年度1,457件、2020年度1,788件、2021年度2,231件と増え続けてきました(出典:国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」2022年11月2日)。

料金を比べる前に、「運び出した遺品を、どの事業者が、どの許可にもとづいて処理するのか」を聞いてください。国民生活センターは2025年10月30日の見守り新鮮情報 第525号でも、住んでいる市町村の窓口に照会するなどして事業者選びを慎重にするよう呼びかけています。許可の確認方法と業者選びの手順は 遺品整理業者の選び方 で詳しくまとめています。

遺品を買い取ってもらうときは、古物商許可証を確認する

遺品を買い取る事業者には、古物営業法にもとづく都道府県公安委員会の許可(古物商許可)が必要です。国民生活センターは見守り新鮮情報 第525号で、買い取ってもらう際には「古物商許可証」や「行商従業者証」を確認するよう案内しています(出典:国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」2025年10月30日)。

古物営業法では、古物商が代理人や従業者に行商をさせるときは行商従業者証を携帯させることとされ、取引の相手方から許可証または行商従業者証の提示を求められたときは提示しなければならないと定められています(古物営業法第11条)。提示を求めるのは、買い取ってもらう側の当然の確認です。

買取額を作業費から差し引く「相殺」に対応する業者もあります。相殺を希望する場合は、査定の対象とする品・査定額の提示方法・相殺の計算を見積書に書いてもらってください。買取と整理作業を同じ業者にまとめるか、分けて依頼するかも、見積書が出そろってから決められます。

支払う金額を下げるより、業者に頼む作業量を減らすほうが確実

遺品整理の料金は人件費・車両費・廃棄物処分費で決まるため、値引き交渉より、業者に運んでもらう量そのものを減らすほうが金額に効きます。時間に余裕があるときに使える方法は次の3つです。

  • 市区町村の粗大ごみ回収・小型家電回収を組み合わせる:自分で出せるものを先に出しておくと、業者が運ぶ量とトラックの台数が減ります。ただし粗大ごみの回収は申し込みから収集日まで日数がかかるため、賃貸の退去期限が迫っている場合は、量を減らす効果と間に合うかどうかを天びんにかけてください。
  • 残す遺品を先に分けて印をつける:国民生活センターは、残しておきたい大切な遺品は作業が行われる部屋からあらかじめ運び出し、それが難しい場合は残す遺品と処分する遺品を分けて作業員が分かるように印をつけるよう勧めています。作業の手戻りが減り、誤って処分されることも防げます。
  • 写真・アルバム・記録媒体を先に退避させる:国民生活センターに寄せられた相談には、大切な書類を残す約束だったにもかかわらず、アルバムや回線のつながっている電話機まで処分され、ゴミ処理場に運搬済みで取り戻せないと言われた例があります(2025年10月30日公表 見守り新鮮情報 第525号 事例2)。一度運び出されると戻らないものから先に手元へ移してください。

遺品整理を始める時期そのものに迷っている場合は、遺品整理はいつから始める?適切なタイミング もあわせてご覧ください。

見積もりを依頼する前に用意しておく5つのこと

見積もりの精度は、業者に伝えられる情報の量で決まります。業者へ連絡する前に次の5つをそろえておくと、現地見積もりが短時間で終わり、複数社の見積書を同じ前提で並べられます。

  1. 間取りと部屋数:賃貸であれば契約書に記載があります。間取り図があれば撮影して送れるようにしておきます。
  2. 大型家具・家電の数:冷蔵庫・洗濯機・タンス・ベッド・ピアノなど、人手が要るものの数を数えておきます。
  3. 残す遺品と処分する遺品の区別:残すものを別室へ移すか、印をつけておきます。
  4. 立ち会える日と担当者:作業時に立ち会う人を決めておきます。国民生活センターも、作業時はできるだけ立ち会うよう勧めています。
  5. 市区町村の廃棄物の処理ルール:住んでいる自治体の窓口で、粗大ごみの出し方と許可業者を確認しておきます。

手順を紙で確認しながら進めたい方向けに、遺品整理チェックリスト(無料PDF) を用意しています。残す遺品の分け方と、見積もりを取るときに確認する項目をまとめた1枚です。

まとめ——料金相場ではなく、見積書の前提をそろえて比べる

遺品整理の料金相場には公的な統計がなく、間取り別の目安表の多くは出典が示されていません。金額表を探すより、複数の業者から同じ前提で見積書を取り、内訳と条件を比べるほうが確実です。

  • 国民生活センターの相談522件では、契約購入金額の平均は約42万円、既支払額の平均は約30万円(2013年4月〜2018年6月の登録分)。相場ではなく、トラブルになった契約の平均値。
  • 公表された見積書の実例では、141,000円の内訳は人件費76,000円・2トントラック1台25,000円・廃棄物処理代40,000円。料金は人件費・車両費・廃棄物処分費で決まる。
  • 比べるのは合計金額ではなく、間取りと荷物量の前提・作業人数と日数・搬出条件・追加料金の条件と単価・キャンセル料の5点。
  • 家庭ごみを運ぶには市町村の委託または一般廃棄物処理業の許可が必要。産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できない(環境省)。
  • 買い取ってもらうときは古物商許可証・行商従業者証を確認する(国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号)。

契約や請求をめぐって業者とトラブルになった場合は、住んでいる自治体の消費生活センター等に相談できます。全国共通の電話番号は消費者ホットライン 188(いやや) です。また、遺産の分け方・相続の手続き・遺品の財産的な評価にかかわる個別の判断は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

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この記事について

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。相続・年金・税・登記などの手続きは、 個別の状況や法改正によって取り扱いが異なります。具体的な手続きや判断は、各市区町村窓口・ 年金事務所・法務局・税務署、および司法書士・税理士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。

編集・運営:株式会社Kogera「生前整理支援センター ふれあいの丘」。 実家じまい・遺品整理・生前整理の進め方を、当事者とご家族の目線でわかりやすくお届けしています。