GUIDEこの記事は実家じまい完全ガイドフェーズ02「お金と補助金を把握する」の解説記事です

空き家・実家の不動産

空き家の解体費用はいくら?相場と補助金の実額

空き家の解体費用はいくら?相場と補助金の

空き家の解体費用は、木造30坪で90万〜150万円程度が目安です。構造・立地・残置物の量で大きく変わり、自治体の解体補助金が使えれば実質負担は下がります。この記事では構造別の相場、地域による価格差、見積書で確認する3項目と業者選びの注意点、補助金がある自治体の実数、解体後の固定資産税、解体か古家付き売却かの判断材料を順にまとめます。

空き家の解体費用は木造30坪で90万〜150万円程度が目安

解体費用の大きさを決めるのは、建物の構造と延床面積です。民間の解体業者が公表している坪単価は、木造で坪3万〜5万円、鉄骨造で坪4万〜6万円、鉄筋コンクリート造で坪5万〜8万円程度が目安になります。いずれも基本工事費だけの水準で、付帯工事費や残置物の処分費は含みません。

構造

坪単価の目安

30坪の基本工事費

木造(在来工法・ツーバイフォー)

3万〜5万円

90万〜150万円

鉄骨造(軽量・重量)

4万〜6万円

120万〜180万円

鉄筋コンクリート造(RC造)

5万〜8万円

150万〜240万円

資材費と人件費の上昇も続いているため、数年前より高くなるケースが増えています(複数の民間解体業者の公表相場より)。実額は現地調査なしには確定しないため、複数社から書面の見積もりを取ることが出発点になります。

地域によっても費用は大きく変わる

同じ構造・同じ坪数であっても、建物の所在地によって費用は異なります。大きく3パターンに分けられます。

  • 都市部(東京・大阪・名古屋など):人件費・廃材処分費が高く、前面道路が狭い密集地では作業効率が落ちるため費用は高めになる傾向があります。木造30坪で130万〜180万円程度になるケースも少なくありません
  • 地方都市・郊外:人件費は比較的安いものの、解体業者の数が少ないエリアでは競争が働きにくく、相見積もりの効果が出にくい場合があります。木造30坪で90万〜140万円程度が目安です
  • 山間部・離島・過疎地:業者の移動費・宿泊費が加算されることがあり、費用が都市部以上になるケースもあります。廃材の搬出コストも大きくなる場合があります

いずれも参考値であり、実際の費用は現地調査なしには確定できません。物件の状況を業者に直接見てもらい、複数社から書面による見積もりを取ることが費用把握の第一歩です。

見積書は「付帯工事費・残置物処分費・整地費」を別立てで確認する

解体の追加請求のもとになるのは、基本工事費ではなく別枠で発生する3項目です。この3つが「一式」でまとめられた見積書は、工事が始まってから金額が動きます。項目ごとに単価と数量が書かれているかを契約前に確認してください。

  • 付帯工事費:門扉・塀・フェンスの撤去、地中の浄化槽や古い基礎の撤去、電気・ガス・水道の切断(各事業者への事前手配が必要な場合あり)、樹木や庭石の撤去。物件によっては基本工事費と同程度に膨らみます
  • 残置物処分費:家具・家電・衣類・食器などの処分費。数万円から数十万円まで幅があり、大型家電・家具は粗大ごみ収集や不用品回収業者の手配が必要です。事前に自分で処分すれば総額を圧縮できます。生前整理・実家じまいと合わせて進めたい方は実家じまいガイド(完全版)も参考にしてください
  • 整地費:解体後の土地をならす費用です。雑草対策も兼ねる砂利敷き、駐車場や建築の地盤強化を兼ねる砕石敷き、売却が決まるまでの管理コスト削減目的の防草シート敷きがあり、目的によって選びます。整地をしないまま更地にすると雑草が繁茂し、近隣への迷惑や物件価値の低下につながります

費用が上振れしやすいのは、前面道路が狭い旗竿地や隣家と密接する敷地、家財が大量に残る家、建築年次によってはアスベスト含有の吹き付け材・屋根材が使われた家(法令に基づく事前調査と専門的な除去処理が必要で、通常の解体費とは別計上になります)、地中に古い浄化槽や基礎・給排水管が埋まっている家です。地中埋設物は事前の調査でも発見できないことがあり、着工後の追加費用トラブルの原因になりやすい項目です。床面積80平方メートル以上の解体は着工7日前までの届出と分別解体が義務づけられ、その手間も費用に反映されます(出典:国土交通省「建設リサイクル法の解体工事手続きチェックリスト」、同省PDF/2026年9月2日確認)。

業者選びで確認する許可証と見積書のチェックポイント

解体工事は高額な取引になるため、悪質な業者によるトラブル相談も後を絶ちません。国民生活センターにはリフォーム・工事に関するトラブル相談が多く寄せられています(参考:国民生活センター「リフォーム工事・点検商法」、同センター/2026年9月2日確認)。契約前に許可証・登録証のコピーを書面で提示してもらうことを習慣にしてください。

  • 建設業許可(解体工事業):請負金額500万円以上の解体工事には、都道府県または国土交通大臣の建設業許可が必要です
  • 解体工事業者の登録:請負金額が500万円未満でも、都道府県への解体工事業者登録が必要です(建設業許可があれば登録不要)
  • 産業廃棄物収集運搬業許可:解体で出た廃材は産業廃棄物にあたり、収集・運搬には都道府県の許可が必要です。許可のない業者が廃材を不法投棄すると、土地所有者が対応を求められかねません

見積書では、工事費の内訳が「一式」のみで項目が明記されていないか、電話や訪問で「今すぐ決めれば安くする」と即決を迫っていないか、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付すると明言しているか、工事後の完成写真の提供や整地の仕上がり確認を契約に含めてもらえるかを確認してください。工事のトラブルは消費者ホットライン(188)にも相談できます。

解体補助金がある市区町村は全国1,726のうち279(ふれあいの丘調べ)

解体補助金は全国どこでも使える制度ではありません。ふれあいの丘が全国1,726市区町村の公式制度ページを調査したところ、老朽・危険空き家の解体に使える補助金を確認できたのは279市区町村、割合にして16.2%でした(2026年9月12日時点・ふれあいの丘調べ)。上限額が判明した263市区町村では中央値50万円、最高額は福井県南越前町の550万円です。確認できなかった市区町村にも制度がある場合があるため、実家のある自治体の窓口で確かめてください。

補助上限額

該当市区町村

割合

30万円未満

23

8.7%

30万〜50万円

59

22.4%

50万〜100万円

139

52.9%

100万〜200万円

40

15.2%

200万円超

2

0.8%

補助金を確認できた279市区町村について、当サイトが収録した申請条件を機械的に集計すると(参考値)、危険・老朽空き家であることを求める自治体が68.8%、市内や指定業者での施工を求める自治体が49.8%、年度予算の先着順とする自治体が42.3%でした。交付決定前の着工を対象外と明記する自治体も26.2%あり、いずれも着工前の申請が大前提である点は共通しています。制度の対象条件・必要書類・申請から着工までの一般的な流れは空き家の解体補助金の対象条件と申請の流れにまとめています。市区町村ごとの上限額は空き家解体補助金の全国ランキング、地域の制度は地域別の補助金・粗大ごみ情報で確認できます。

解体して更地にすると土地の固定資産税が上がる

建物を取り壊して更地にすると、翌年以降の土地の固定資産税が増える場合があります。住宅が建つ土地には住宅用地特例が適用され、200平方メートル以下の小規模住宅用地は課税標準が6分の1に軽減されていますが、更地になるとこの特例が外れるためです(出典:総務省「固定資産税の概要」、同省/2026年9月2日確認)。結果として土地の固定資産税は最大約6倍程度になる場合があり、実際の税額は評価額と自治体の判断で変わります。

固定資産税は毎年1月1日時点の状況で課税されるため、年内に解体を終えても翌年1月1日に更地であれば更地として課税されます。建物を残していても、特定空家等として勧告を受けた土地は特例が外れます(特定空き家の指定基準と固定資産税への影響)。更地状態で年をまたぐリスクを踏まえて解体のタイミングを検討し、実際の税額は市区町村の税務課または税理士にご確認ください。空き家の現状リスクを整理したい方は空き家リスク診断(無料)もご活用ください。

解体して売るか、古家付きで売るか、残すかを3軸で比べる

相続した空き家の出口は、解体して更地で売る・古家付きのまま売る・当面所有し続けるの3つです。どれが有利かは建物の傷み方と土地の需要で変わるため、費用の先出しと固定資産税、向くケースを並べて比べるのが実際的です。

選択肢

費用の先出し

固定資産税

向いているケース

解体して更地で売る

解体費が先に必要

更地化の翌年から特例が外れる

建物の傷みが激しい/更地のほうが買主の用途が広い立地

古家付きのまま売る

不要(買主が解体費を織り込む)

住宅用地特例が続く

リノベーション需要がある立地/解体費を用意しにくい

当面そのまま所有する

不要(管理費は継続)

住宅用地特例が続く

売却時期を家族で決めきれていない

古家付きのまま売却するメリットとデメリット

古家付きのまま売却を試みる場合、解体費用を自己負担せずに済む可能性があり、買主が解体コストを価格に織り込んで購入するケースがあります。解体後に売れない期間が続くと更地の固定資産税と管理費が増え続けるリスクがありますが、古家付きならそのリスクを避けられます。建物にまだ利用可能性があり、リノベーション需要が見込める立地では高値がつく場合もあります。まず「古家付き」で不動産会社に査定を依頼し、市場の反応を確認してから方針を決める進め方が現実的です。

一方で、老朽化が進んだ建物は買い手がつきにくく売却活動が長期化することがあり、建物の維持管理責任は所有者が持ち続けるため倒壊・不法投棄・火災などのリスクが続きます。特定空き家・管理不全空き家として行政から指導・勧告を受けると、固定資産税の特例が外れる場合もあります。

先に解体して更地売却するメリットとデメリット

先に解体して更地売却を選ぶ場合、老朽化した危険な建物を取り除くことで近隣への迷惑・行政からの指導リスクを解消でき、更地のほうが買い手・用途が広がる立地(商業地・開発用地など)では売却価格が上がる可能性があります。解体補助金が活用できる見込みがあれば費用負担を軽減でき、建物の管理義務から解放されて精神的な負担も軽くなります。

一方で、解体費用を先行して支出する必要があり、更地になった後は売却が決まるまでの間、固定資産税が増加し続けます。「解体してから売る」と決める前に、不動産会社への査定と地域の需要確認が不可欠です。解体費用をすぐに用意しにくい場合、一部の銀行・信用金庫・JAが解体専用ローンを提供しており、金利・審査条件は金融機関によって異なります。

所有を続ける場合は倒壊・不法投棄・火災の管理責任が残り、管理不全が進むと指導の対象になります。判断の順番としては、まず古家付きの状態で複数の不動産会社に査定を依頼して市場の反応を見て、あわせて市区町村の補助金担当窓口に問い合わせてから解体の要否を決めると、解体費を出したのに売れないという事態を避けやすくなります。解体・売却以外の選択肢(リノベーション・賃貸・地域活用)については空き家を活用する方法――賃貸・民泊・売却以外の選択肢もご参照ください。

よくある質問

解体費用が払えないときの選択肢はありますか

一部の銀行・信用金庫・JAが解体資金に対応するローンを扱っており、金利や審査条件は金融機関ごとに異なります。古家付きのまま売却して買主に解体を委ねる方法もあるため、解体を前提にせず査定と金融機関の窓口を両方あたるのが現実的です。

解体補助金は工事のあとからでも申請できますか

交付決定前の着工を対象外と明記する市区町村が22.4%あり(2026年8月19日時点・ふれあいの丘調べ)、工事後の申請は認められないのが一般的です。業者と契約する前に空き家担当課へ問い合わせてください。

残置物は自分で処分したほうが安くなりますか

残置物処分費は解体費とは別に計上されるため、家具・家電を先に処分すれば総額を抑えられます。ただし大型家電はリサイクル料金、粗大ごみは自治体の収集申し込みが必要です。

相見積もりは何社から取ればよいですか

3社以上が目安です。金額だけでなく、3項目が別立てで書かれているか、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付すると明記しているかを並べて比べてください。許可証・登録証の提示を求めることは失礼にあたりません。「見せてほしい」と伝えることをためらう必要はありません。

まとめ——費用・補助金・税・売却方針を合わせて判断する

  • 木造30坪で90万〜150万円が基本工事費の目安。付帯工事費・残置物処分費・整地費は別枠で確認する
  • 業者選びは建設業許可(解体工事業)または解体工事業者登録、産業廃棄物収集運搬業許可の確認を忘れずに
  • 解体補助金を確認できたのは全国1,726市区町村のうち279(16.2%)。上限額の中央値は50万円(2026年9月12日時点・ふれあいの丘調べ)
  • 交付決定前の着工を対象外とする自治体があるため、業者との契約前に市区町村窓口へ問い合わせる
  • 更地にすると住宅用地特例が外れ、翌年1月1日時点の状況で課税される
  • 解体か古家付き売却かは、先に査定を取って市場の反応を確認してから決める

地域の補助金情報は地域別の補助金・粗大ごみ情報ページで確認できます。実家じまい全体の流れは実家じまいガイド(完全版)をご覧ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的・税務的判断の根拠となるものではありません。着工前に市区町村窓口と解体業者へ確認し、税負担や売却方針の判断は税理士・宅地建物取引士などの専門家にご相談ください。

「保有する」と「売却する」を、同じ条件で比較する

金額だけでなく、利用予定、家族の意向、管理の手間、契約・税務上の条件を並べて確認します。

保有する場合

  • 課税明細の固定資産税・都市計画税
  • 保険、換気、草木、修繕、見回り等の実費
  • 将来の居住・賃貸・活用予定と、管理を担う人
  • 自治体から指導・勧告を受けた場合の対応

売却する場合

  • 査定価格ではなく、諸費用・税を差し引いた手取り
  • 共有者、相続登記、境界、残置物等の整理状況
  • 古家付き・解体後それぞれの条件と売却期間
  • 控除の適用要件は税務署または税理士へ確認

まず課税明細から年間負担を合計し、売却も比較したい場合だけ、下の広告から査定条件を確認できます。

記事を読んだら、お住まいの市区町村の具体的な情報や費用の目安を確かめてみましょう。

MUNICIPAL DATABASE

お住まいの市区町村の補助金情報を確認

全国1,726自治体の収録データから、公式ページと掲載値を編集確認済みの補助制度を確認できます。

※補助金情報は各自治体の公開情報をもとにした独自調査です。制度・金額・募集状況は更新されるため、申請前に自治体の公式情報をご確認ください。

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この記事について

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編集・運営:株式会社Kogera「生前整理支援センター ふれあいの丘」。 実家じまい・遺品整理・生前整理の進め方を、当事者とご家族の目線でわかりやすくお届けしています。