空き家・実家の不動産

空き家買取とは|仲介との違い・デメリット・選び方

「仲介に出したのに売れない」「遠方で管理に通えない」「築年数が古くて買い手がつかない」。そんな空き家の出口の一つが、不動産会社が直接買い取る「買取」です。仲介との違い、価格の決まり方、業者の選び方と注意点、手放すまでの流れを、宅地建物取引業法と国土交通省の公表情報で整理しました。

空き家買取とは、不動産会社が買主になって空き家を直接買い取る売却方法

空き家買取とは、宅地建物取引業の免許を持つ不動産会社が自ら買主となり、所有者から空き家を直接買い取る売却方法です。買い手を探してもらう「仲介」とは、買主・期間・価格・仲介手数料・引き渡し後の責任の扱いが異なります。

仲介では、成約したときに不動産会社へ報酬(仲介手数料)を払います。報酬の上限は宅地建物取引業法第46条にもとづく国土交通大臣の告示で定められ、価格800万円以下の宅地建物は「低廉な空家等」として令和6年(2024年)7月1日から税込33万円以内です(国土交通省・不動産取引に関するお知らせ、確認日2026年9月26日)。

買取では、不動産会社が自ら売買の当事者になるため、仲介手数料は発生しません。一方で、改修や解体をして再販することを前提に価格を決めるため、仲介で個人の買主に売るときの市場価格より低くなるのが一般的です。

比べる点

買取

仲介

買主

不動産会社

個人や法人の第三者

期間

買い手を待たない

買い手次第。専任媒介契約は3か月以内(宅建業法第34条の2)

価格

市場価格より低いのが一般的

市場価格が基準

引き渡し後の責任

免責特約が結ばれることがある

民法の契約不適合責任が基本

空き家買取が向くのは、仲介で売れなかった・遠方・築古・訳ありの空き家を早く確実に手放したいとき

空き家買取が向いているのは、仲介で長く売れなかった、遠方で管理に通えない、築年数が古い、再建築不可や境界未確定といった事情があり、価格よりも「早く確実に手放すこと」を優先したい場合です。

逆に向かないのは、立地や建物の状態がよく、時間をかければ個人の買主がつく見込みがある空き家です。まず仲介で市場に出し、一定期間で反応がなければ買取に切り替える順番が一般的です。仲介で売れない理由は空き家が売れない5つの理由と対処法に整理しています。

買取価格は、再販するときの見込み価格から解体・改修の費用と業者の利益を差し引いて決まるのが一般的

買取価格は、不動産会社が再販するときの見込み価格から、解体や改修にかかる費用、販売の経費、業者の利益を差し引いて決めるのが一般的な考え方です。仲介の査定額が「いくらで売れそうか」を示すのに対し、買取の提示額は「業者がいくらまでなら買えるか」を示します。

提示額が妥当かどうかは、周辺の成約価格と並べて見ます。国土交通省の不動産情報ライブラリでは、取引価格や地価公示を地図から確認できます。机上査定と訪問査定の違いは実家・空き家の不動産査定で解説しています。

買取業者は、宅建業免許・買取実績の種類・査定根拠の説明・契約書面の4点で選ぶ

空き家の買取業者は、宅地建物取引業の免許を国土交通省の検索システムで確かめたうえで、自分の空き家と同じ種類の買取実績があるか、価格の根拠を説明してくれるか、契約前に条件を書面で示してくれるかの4点で選びます。2〜3社の査定を並べて比べます。

  1. 宅建業免許。宅地建物取引業には国土交通大臣または都道府県知事の免許が必要で、有効期間は5年です(宅地建物取引業法第3条)。国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、商号・免許の有無・所在地・免許行政庁を確認できます。
  2. 買取実績の種類。再建築不可や残置物ありなど、自分の空き家と同じ種類の実績があるかを聞きます。
  3. 査定根拠の説明。再販の想定価格と、差し引く解体・改修・経費の内訳を説明してもらいます。
  4. 契約書面。宅建業者が自ら当事者として売買契約を結んだときは、代金の額と支払時期、引き渡しの時期、契約不適合責任の定めなどを記載した書面を相手方に交付します(宅地建物取引業法第37条第1項)。契約前に案文を見せてもらいます。

空き家買取のデメリットは価格の低さで、安すぎる提示・即決の要求・強引な勧誘に注意する

空き家買取の最大のデメリットは、仲介で売るときより価格が低くなる点です。契約内容で迷うときは弁護士や司法書士などの専門家に相談し、勧誘に不安があるときは消費者ホットライン188(局番なし)や免許を出した行政庁に相談できます。

  • 安すぎる提示。不動産情報ライブラリの取引価格と、複数社の提示額を並べて確かめます。
  • 即決の要求。クーリング・オフ(第37条の2)は宅建業者が売主となる場合の制度で、所有者が業者に売る買取は対象になりません。契約書は持ち帰って検討します。
  • 免責特約と告知。民法第572条は、担保責任を負わない特約をしても、売主が知りながら告げなかった事実の責任は免れないと定めています(e-Gov・民法)。知っている不具合は伝えます。
  • 囲い込みの確認。専任媒介で依頼していた場合、売主は登録証明書に記載の売主専用画面でレインズの取引状況を確認できます。登録は令和7年1月から宅建業者の義務です(国土交通省・売主向けリーフレット、令和6年12月24日)。覚えのない「売主都合で一時紹介停止中」なら囲い込みの可能性があります。

空き家買取の流れは、査定依頼・現地調査・価格提示・売買契約・決済と引き渡しの5段階

空き家買取は、複数の業者へ査定を依頼し、現地調査を受け、提示された価格と条件を比べて1社を選び、売買契約を結び、決済と同時に引き渡しと所有権移転登記を行う流れで進みます。

  1. 査定依頼。登記事項証明書、固定資産税の課税明細、建物の図面を用意します。
  2. 現地調査。建物の状態、接道、境界、残置物の量を業者が確認します。
  3. 価格と条件の提示。残置物の扱い、契約不適合責任の定め、決済時期を書面で受け取ります。
  4. 売買契約。宅地建物取引業法第37条の書面を受け取り、内容を確かめてから署名します。
  5. 決済・引き渡し・登記。代金の受領と同時に鍵を渡し、所有権移転登記を行います。

相続した空き家は、決済の前提として相続登記が必要です。相続登記は令和6年4月1日から義務化され、相続で取得したことを知った日から3年以内に申請します。令和6年4月1日より前に相続した不動産も令和9年3月31日までが期限です(法務省・相続登記の申請義務化)。相続人が複数いる場合は誰が取得するかの合意も要るため、手続きは司法書士に相談してください。

買取・仲介・空き家バンク・相続土地国庫帰属制度は、相手・期間・手元に残るお金で比べる

空き家を手放す方法は買取だけではなく、仲介、市区町村の空き家バンク、相続した土地を国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度があります。取引の相手・期間・お金の面で並べると、自分の空き家に合う出口が見えます。

方法

相手

期間

お金

向くケース

買取

不動産会社

買い手を待たない

市場価格より低い代金。仲介手数料なし

早く確実に手放したい。訳あり・遠方・築古

仲介

個人・法人の買主

買い手次第

市場価格。仲介手数料は告示の上限内

時間をかけて高く売りたい

空き家バンク

自治体を通じた利用希望者

希望者次第

条件は当事者間で決める

移住者に住んでほしい地方の空き家

相続土地国庫帰属制度

国(法務局へ申請)

標準処理期間8か月

審査手数料1筆14,000円と負担金(基本20万円)。代金はない

建物を解体した土地で買い手がつかない

空き家買取でよくある質問(再建築不可・残置物)

再建築不可の空き家でも買取できますか

再建築不可の空き家を買取の対象にする業者はありますが、隣地との一体利用や賃貸など再販の出口を持つ業者に限られるため、同じ類型の買取実績を確かめます。

家財(残置物)はそのままでよいですか

残置物の扱いは業者によって、そのままで買い取る、処分費用を提示額から差し引く、所有者が片付けてから引き渡す、の3通りに分かれます。処分費用の扱いを契約前の書面で確かめます。

まとめ

  • 空き家買取は不動産会社が買主になる売却方法。仲介手数料はかからないが、市場価格より低くなるのが一般的
  • 向くのは仲介で売れなかった・遠方・築古・訳ありの空き家。時間をかけて高く売りたいなら仲介が先
  • 業者は宅建業免許・買取実績・査定根拠・契約書面で選び、2〜3社を比べる
  • 安すぎる提示と即決の要求には応じず、知っている不具合は免責特約があっても伝える(民法第572条)

「保有する」と「売却する」を、同じ条件で比較する

金額だけでなく、利用予定、家族の意向、管理の手間、契約・税務上の条件を並べて確認します。

保有する場合

  • 課税明細の固定資産税・都市計画税
  • 保険、換気、草木、修繕、見回り等の実費
  • 将来の居住・賃貸・活用予定と、管理を担う人
  • 自治体から指導・勧告を受けた場合の対応

売却する場合

  • 査定価格ではなく、諸費用・税を差し引いた手取り
  • 共有者、相続登記、境界、残置物等の整理状況
  • 古家付き・解体後それぞれの条件と売却期間
  • 控除の適用要件は税務署または税理士へ確認

まず課税明細から年間負担を合計し、売却も比較したい場合だけ、下の広告から査定条件を確認できます。

記事を読んだら、お住まいの市区町村の具体的な情報や費用の目安を確かめてみましょう。

MUNICIPAL DATABASE

お住まいの市区町村の補助金情報を確認

全国1,726自治体の収録データから、公式ページと掲載値を編集確認済みの補助制度を確認できます。

※補助金情報は各自治体の公開情報をもとにした独自調査です。制度・金額・募集状況は更新されるため、申請前に自治体の公式情報をご確認ください。

\ 読む時間がない方へ /

この記事の要点と、実家じまいの手順をまとめた「完全ガイドブック(PDF)」を無料プレゼント中!

LINEで今すぐ受け取る(無料)

※完全無料 ※いつでもブロック可能

📚

生前整理 完全ガイドブック(無料PDF)

LINEを使っていない方へ。優先順位チェックシート・財産一覧テンプレート・エンディングノートの書き方をまとめたガイドを、メールでお届けします。

送信すると、ガイドPDFに加えて実家じまいのヒントを数回メールでお届けします。いつでも解除できます。入力したメールアドレスはガイド送付と登録管理に使用します。

【PR】

買い手がつきにくい家は、買取でも金額を確認できます

ラクウルは、空き家や中古戸建てを不動産会社が直接買い取るサービスです。買い手を探す仲介とは仕組みが異なり、買主が見つかるのを待たずに金額の提示を受けられる場合があります。売ると決める前でも、仲介の査定額と並べて比べる材料になります。

  • 買取の対象になる物件の種類と所在地
  • 家財(残置物)が残ったままでも依頼できるか
  • 査定に必要な書類と申し込みの流れ
  • 査定額に納得できないときに断れるか
査定額は買取価格を保証するものではありません。対象エリア・物件の条件・費用の負担は、移動先の公式ページでご確認ください。相続した不動産の売却や税金の個別の判断は、不動産会社・税理士等の専門家にもご相談ください。
ラクウルの無料査定の条件を確認する

空き家・中古戸建ての買取査定「ラクウル」の公式サイトへ移動します

記事一覧 →

この記事について

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。相続・年金・税・登記などの手続きは、 個別の状況や法改正によって取り扱いが異なります。具体的な手続きや判断は、各市区町村窓口・ 年金事務所・法務局・税務署、および司法書士・税理士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。

編集・運営:株式会社Kogera「生前整理支援センター ふれあいの丘」。 実家じまい・遺品整理・生前整理の進め方を、当事者とご家族の目線でわかりやすくお届けしています。