空き家・実家の不動産

空き家が売れない5つの理由と売るための対処法

空き家が売れない5つの理由と売るための対

親から受け継いだ空き家を売りに出したのに、半年たっても問い合わせが来ない。そんな状態で止まっている方へ。空き家が売れない原因は、立地・価格・建物・再建築の可否・権利関係の5つにほぼ絞れます。総務省の統計と、ふれあいの丘が全国1,726市区町村を調べたデータをもとに、原因の見分け方と次の一手を整理しました。

空き家が売れない背景には、売りに出ていない空き家が385万6千戸あるという事情がある

2023年10月1日時点の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最多・過去最高でした。このうち「売却用の空き家」は32万6千戸にとどまり、賃貸にも売却にも出されていない「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」が385万6千戸を占めています(総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果の概要」、確認日:2026年9月18日)。

空き家の多くは「売れなかった家」ではなく「まだ売れる形になっていない家」です。原因を立地だけに求める前に、価格・建物・権利のどこで止まっているのかを切り分けると、打てる手が見えてきます。

空き家が売れない理由は、立地・価格・建物・再建築の可否・権利関係の5つに整理できる

空き家が売れない理由は、買い手の需要が薄い立地、市場と合わない売り出し価格、古い建物、建て替えができない土地、整理されていない権利関係の5つに整理できます。ひとつだけということは少なく、2つ3つが重なって止まっていることのほうが多くあります。

理由1:立地に買い手の需要がない

最寄り駅や生活施設から遠い、道幅が狭く車が入りにくい、周囲にも空き家が並んでいる。こうした立地では、住むために買う人が現れにくくなります。総務省の調査でも、賃貸・売却用や二次的住宅を除く空き家の割合は西日本で高い傾向が示されています(鹿児島県13.6%、高知県12.9%)。

理由2:売り出し価格が市場の水準と合っていない

「実家にはこれくらいの価値があるはずだ」という思いと実際の取引価格が離れていると、内見そのものが入りません。相続で受け継いだ家ほど、取得時の価格や思い出が基準になりやすい点に注意が要ります。

理由3:建物が古く、買主が住みにくい・使いにくい

雨漏り・傾き・シロアリ被害があると、買主は購入後の修繕費を上乗せして考えます。残置物が片付いていない家も、片付け費用を差し引いた金額でしか検討してもらえません。

理由4:再建築不可で、建て替えができない

建築基準法第43条は「建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない」と定め、同法第42条は道路を原則として幅員4メートル以上のものとしています(e-Gov法令検索「建築基準法」、確認日:2026年9月18日)。この条件を満たさない土地は建て替えができず、買主が住宅ローンを組みにくいため、買い手が大きく絞られます。

理由5:相続登記・共有名義・境界が未整理で、契約まで進めない

名義が亡くなった親のままの家、兄弟の共有になっている家、隣地との境界が確定していない土地は、買い手が見つかっても契約手続きで止まります。共有名義の売却には共有者全員の合意が必要です。登記や相続の手続きは司法書士・弁護士にご相談ください。

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買い手がつきにくい家は、買取でも金額を確認できます

ラクウルは、空き家や中古戸建てを不動産会社が直接買い取るサービスです。買い手を探す仲介とは仕組みが異なり、買主が見つかるのを待たずに金額の提示を受けられる場合があります。売ると決める前でも、仲介の査定額と並べて比べる材料になります。

  • 買取の対象になる物件の種類と所在地
  • 家財(残置物)が残ったままでも依頼できるか
  • 査定に必要な書類と申し込みの流れ
  • 査定額に納得できないときに断れるか
査定額は買取価格を保証するものではありません。対象エリア・物件の条件・費用の負担は、移動先の公式ページでご確認ください。相続した不動産の売却や税金の個別の判断は、不動産会社・税理士等の専門家にもご相談ください。
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価格が原因の空き家は、公的な取引価格データで水準を確かめてから値付けを直す

売り出し価格が原因かどうかは、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で同じ地域の取引実績を見ると判断しやすくなります。不動産情報ライブラリでは、不動産取引価格情報・地価公示・都道府県地価調査・成約価格情報をまとめて確認できます(国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」、確認日:2026年9月18日)。

そのうえで複数の不動産会社に査定を依頼し、金額そのものより「どの成約事例と比べたのか」「どれくらいの期間で売れる想定か」という根拠を聞き比べてください。査定額は売却価格を保証するものではありません。納得できない査定は断って構いません。

建物が原因の空き家は、解体費用と補助金を確かめてから更地にするか決める

空き家の解体費用は、木造30坪で90万〜150万円、鉄骨造30坪で120万〜180万円が基本工事費の目安です(民間解体業者の公表相場)。付帯工事費・残置物処分費・整地費は別途かかるため、実額は複数社の見積もりで確かめてください。

ふれあいの丘が全国1,726市区町村の公式ページを調べたところ、解体補助金を確認できたのは272市区町村(15.8%)で、上限額が判明した271市区町村の中央値は50万円でした(2026年9月14日時点・ふれあいの丘調べ)。うち65.3%が「危険・老朽空き家であること」を条件に掲げ、39.6%が年度予算・先着順です。申請は着工前が原則のため、工事を始める前に市区町村の窓口で条件を確かめてください。全国データは解体費用の相場と補助金の全国データにまとめています。

ただし、建物を取り壊して更地にすると、固定資産税の住宅用地特例が外れます。住宅用地の特例は、小規模住宅用地で評価額の6分の1、一般住宅用地で3分の1に課税標準額を軽減するものです(総務省「固定資産税の概要」、確認日:2026年9月18日)。解体は買い手の見込みとセットで判断してください。放置して特定空き家に指定された場合も、同じ特例が外れます。

仲介で買い手がつかない空き家は、買取・空き家バンク・譲渡まで出口を広げる

仲介で買い手がつかない空き家には、不動産会社による買取、市区町村の空き家バンクへの登録、隣地所有者や知人への譲渡といった出口があります。買取は現金化までが早い一方、仲介より価格が低くなりやすい傾向があります。買取を検討する場合も、複数社の金額と根拠を並べ、その場で契約しないことが身を守る方法になります。売却・解体・譲渡の6つのルートを条件別に比べたい方は空き家の処分方法まとめをご覧ください。

空き家の売却で動くお金は、仲介手数料の上限と税の特例を先に確認する

不動産会社が受け取れる仲介手数料は、宅地建物取引業法に基づく告示で上限が定められています。物件価格1,000万円(税別)なら依頼者の一方から受け取れる上限は39.6万円(税込)です。価格800万円以下の宅地建物は「低廉な空家等」として、令和6年7月1日以降、上限が30万円×1.1倍の金額(税込)以内という特例が設けられました(国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」、確認日:2026年9月18日)。手数料の額は媒介契約を結ぶ前にあらかじめ合意しておくことが大切です。

税については、相続した家屋と敷地を売ったときに譲渡所得から控除を受けられる「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」があります。昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなど、要件と期限が細かく決まっています(国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」、確認日:2026年9月18日)。自分の家屋が当てはまるかどうかの判断は、所轄の税務署または税理士にご相談ください。

まとめ

  • 空き家900万2千戸のうち売却用は32万6千戸で、385万6千戸は売りにも賃貸にも出ていない(総務省統計局・令和5年住宅・土地統計調査)
  • 売れない理由は、立地・価格・建物・再建築の可否・権利関係の5つに整理できる
  • 価格が原因なら不動産情報ライブラリで水準を確かめ、複数社の査定の根拠を聞き比べる
  • 建物が原因なら、解体費用(木造30坪で90万〜150万円が目安)と補助金を着工前に確かめ、更地にすると住宅用地特例が外れる点も含めて判断する
  • 仲介手数料の上限と空き家の譲渡所得の特例は売り出す前に確認する。個別の税務判断は税務署・税理士へ

「保有する」と「売却する」を、同じ条件で比較する

金額だけでなく、利用予定、家族の意向、管理の手間、契約・税務上の条件を並べて確認します。

保有する場合

  • 課税明細の固定資産税・都市計画税
  • 保険、換気、草木、修繕、見回り等の実費
  • 将来の居住・賃貸・活用予定と、管理を担う人
  • 自治体から指導・勧告を受けた場合の対応

売却する場合

  • 査定価格ではなく、諸費用・税を差し引いた手取り
  • 共有者、相続登記、境界、残置物等の整理状況
  • 古家付き・解体後それぞれの条件と売却期間
  • 控除の適用要件は税務署または税理士へ確認

まず課税明細から年間負担を合計し、売却も比較したい場合だけ、下の広告から査定条件を確認できます。

記事を読んだら、お住まいの市区町村の具体的な情報や費用の目安を確かめてみましょう。

MUNICIPAL DATABASE

お住まいの市区町村の補助金情報を確認

全国1,726自治体の収録データから、公式ページと掲載値を編集確認済みの補助制度を確認できます。

※補助金情報は各自治体の公開情報をもとにした独自調査です。制度・金額・募集状況は更新されるため、申請前に自治体の公式情報をご確認ください。

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この記事について

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。相続・年金・税・登記などの手続きは、 個別の状況や法改正によって取り扱いが異なります。具体的な手続きや判断は、各市区町村窓口・ 年金事務所・法務局・税務署、および司法書士・税理士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。

編集・運営:株式会社Kogera「生前整理支援センター ふれあいの丘」。 実家じまい・遺品整理・生前整理の進め方を、当事者とご家族の目線でわかりやすくお届けしています。