葬祭費・埋葬料の申請|もらえる人・必要書類・期限

「葬儀のあとに葬祭費を申請できると聞いたけれど、どこに何を出せばよいのか分からない」と困っている方へ。葬祭費・埋葬料は、亡くなった人が加入していた公的医療保険から、葬儀を行った人などに支給されるお金です。この記事では、加入していた保険ごとの違い、申請先、必要な書類、2年の期限を公的資料からまとめました。
葬祭費と埋葬料は、亡くなった人が加入していた公的医療保険によって名前と申請先が変わる
葬祭費と埋葬料は、亡くなった人が加入していた公的医療保険の種類によって給付の名前と申請先が変わり、国民健康保険と後期高齢者医療制度では「葬祭費」、会社員などの健康保険では「埋葬料」「埋葬費」と呼ばれます。まず、亡くなった人が加入していた保険を確かめてください。
亡くなった人の保険 | 給付の名前 | 支給する機関と申請先 |
|---|---|---|
国民健康保険 | 葬祭費 | 市区町村(金額は条例で定める) |
後期高齢者医療制度 | 葬祭費 | 都道府県ごとの広域連合(申請は市区町村の窓口) |
健康保険(協会けんぽなど) | 埋葬料・埋葬費・家族埋葬料 | 加入していた健康保険(協会けんぽは加入の支部) |
葬祭費の根拠は国民健康保険法第58条と高齢者の医療の確保に関する法律第86条で、市区町村や広域連合が条例などの定めるところにより支給するとされています。埋葬料の根拠は健康保険法第100条です(出典:厚生労働省 法令等データベース「国民健康保険法」、2026年10月1日確認)。
国民健康保険の葬祭費は、市区町村が条例で金額を決めるため自治体ごとに異なる
国民健康保険の葬祭費は、市区町村が条例で金額を定めて葬祭を行った人に支給するため、同じ国民健康保険でも住んでいた自治体によって金額が異なります。2026年10月1日に各区市の公式ページで確認した例は次のとおりです。
- 東京都練馬区:7万円(出典:練馬区「国保に加入している方が亡くなったとき(葬祭費の支給)」)
- 東京都港区:7万円(出典:港区「国民健康保険に加入していた人の葬祭費の手続き」)
- 大阪市:5万円(出典:大阪市「葬祭費の支給」)
上の金額は一部の例で、全国共通ではありません。練馬区のページは、亡くなった人が75歳以上の場合は後期高齢者医療制度から支給すると案内しています。正確な金額と手続きは、亡くなった人が住んでいた市区町村の国民健康保険の担当窓口で確認してください。
後期高齢者医療制度の葬祭費は、広域連合が支給し、申請は市区町村の窓口で行う
75歳以上の人などが加入する後期高齢者医療制度の葬祭費は、都道府県ごとに置かれた後期高齢者医療広域連合が支給し、申請は亡くなった人が住んでいた市区町村の担当窓口で行います。金額は広域連合の条例で決まるため、都道府県によって異なります。
- 神奈川県・埼玉県・大阪府の各広域連合:5万円
- 北海道後期高齢者医療広域連合:3万円
金額と窓口は、亡くなった人が住んでいた都道府県の広域連合のページで確かめてください(出典:神奈川県後期高齢者医療広域連合「葬祭費」、埼玉県後期高齢者医療広域連合「葬祭費の支給」、大阪府後期高齢者医療広域連合「葬祭費」、北海道後期高齢者医療広域連合「葬祭費とは?」、いずれも2026年10月1日確認)。
会社員などの健康保険では、葬祭費ではなく埋葬料・埋葬費・家族埋葬料が支給される
会社員などが加入する健康保険では、被保険者が業務外の事由で亡くなったときに、葬祭費ではなく埋葬料または埋葬費が支給されます。協会けんぽ(全国健康保険協会)の場合、亡くなった被保険者に生計を維持されていた人が申請すると埋葬料5万円が支給されます。
協会けんぽによると、生計を維持されていた人は生活費の一部でも維持されていればよく、民法上の親族や遺族であることは問われません。埋葬料を申請できる人がいないときは、実際に埋葬を行った人に、5万円の範囲内で埋葬に要した費用(霊柩車代、火葬料、僧侶の謝礼などの実費)が埋葬費として支給されます。被扶養者が亡くなったときは、被保険者に家族埋葬料5万円が支給されます(出典:全国健康保険協会「埋葬料・埋葬費」、2026年10月1日確認)。
会社を退職して3か月以内に亡くなった場合なども、協会けんぽから埋葬料などが支給されることがあります。大阪市は、ほかの健康保険から埋葬料などを受けられる場合は国民健康保険の葬祭費を支給しないとしています。練馬区は、本人名義で1年以上加入していた人が退職後3か月以内に亡くなった場合は選択できるとしており、扱いは自治体で異なります。健康保険組合や共済組合の場合は、加入先の保険者に確認してください。
葬祭費の申請には、喪主の名前が分かる葬儀の領収書や会葬礼状と振込先口座が必要になる
国民健康保険と後期高齢者医療制度の葬祭費を申請できるのは、喪主など実際に葬祭を行った人で、葬祭を行ったことが分かる書類と振込先の口座が分かるものを窓口に出します。2026年10月1日に確認した自治体・広域連合のページに共通する主な書類は次のとおりです。
- 葬祭費の支給申請書(窓口やホームページで入手)
- 喪主の氏名が分かる葬儀の領収書または会葬礼状
- 喪主名義の振込先口座が分かるもの
- 申請する人の本人確認書類、亡くなった人の資格確認書(返却済みなら不要とする広域連合もある)
葬儀の領収書は葬祭を行った人を確かめる書類になるため、保管しておくと安心です。練馬区や大阪市のように郵送で申請できる自治体もあり、練馬区はマイナンバーカードを使ったオンライン申請も案内しています。協会けんぽの埋葬料は、事業主による死亡の証明などを添えて加入の支部へ申請し、電子申請もできます(出典:全国健康保険協会「健康保険埋葬料(費)支給申請書」、2026年10月1日確認)。
葬祭費・埋葬料の申請期限は、法律の時効により2年である
葬祭費と埋葬料を受け取る権利は、国民健康保険法第110条、高齢者の医療の確保に関する法律第160条、健康保険法第193条により、行使することができる時から2年を過ぎると時効で消滅します。期限を数え始める日は給付ごとに異なります。
- 国民健康保険と後期高齢者医療制度の葬祭費:葬祭を行った日の翌日から2年(練馬区・大阪市・各広域連合のページ)
- 協会けんぽの埋葬料・家族埋葬料:死亡した日の翌日から2年
- 協会けんぽの埋葬費:埋葬を行った日の翌日から2年
葬祭費や埋葬料は申請しなければ支給されないため、2年の期限を過ぎる前に申請しておきましょう(出典:厚生労働省 法令等データベース「健康保険法」、同「高齢者の医療の確保に関する法律」、2026年10月1日確認)。
まとめ
- 国民健康保険と後期高齢者医療制度は「葬祭費」、会社員などの健康保険は「埋葬料・埋葬費」
- 葬祭費の金額は市区町村や広域連合によって異なるので、公式ページか窓口で確かめる
- 喪主の名前が分かる葬儀の領収書や会葬礼状、振込先口座を用意する
- 申請期限は2年。葬祭費は葬祭を行った日の翌日から数える
葬儀全体にかかる費用の目安は葬儀費用の平均と相場、ほかの手続きの順番は親が亡くなったらやることチェックリストで整理しています。相続や税金に関わる個別の判断は、税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。
次の一歩:あなたの地域で調べる・試算する
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