片付け・処分・供養

遺品整理で捨ててはいけないもの一覧と順番

「遺品整理を始めたいけれど、大事なものまで捨ててしまわないか心配」という方へ。遺品整理で捨ててはいけないものは、遺言書、相続や年金の手続きに使う書類、財産と借金の手がかり、スマホ・パソコン、レンタル品、写真や形見です。品目ごとの理由と、迷った物を集める「保留箱」を使った片付けの順番を、法律と公的機関の情報をもとに整理しました。

遺品整理で捨ててはいけないものは、手続き・財産の手がかり・返却品・思い出の品の4種類

遺品整理で捨ててはいけないものは、「手続きに使うもの」「財産と借金の手がかりになるもの」「返却が必要なもの」「家族で決めたい思い出の品」の4種類に分けると確認しやすくなります。次の表を片付け前のチェックリストにしてください。

種類

具体例

捨ててはいけない理由

手続きに使うもの

遺言書、年金証書、保険証券、印鑑

検認・年金・保険金の手続きで使う

財産の手がかり

通帳、キャッシュカード、証券会社の書類、登記識別情報通知・権利証、固定資産税の納税通知書

どこにどんな財産があるかを調べる材料になる

借金の手がかり

借用書、ローンの契約書、請求書、督促状

相続するか放棄するかを決める材料になる

デジタル機器

スマホ、パソコン、充電器

ネット銀行やサブスクの手がかりが中にある

返却が必要なもの

介護ベッドなどのレンタル品、リース品、人から預かった物

故人の持ち物ではない

思い出の品

写真、手紙、日記、形見になる品

捨てると取り戻せず、家族の意見も分かれやすい

遺言書は見つけても開封せず、家庭裁判所で検認を受ける

自筆の遺言書を見つけたら、封を開けずにそのまま保管し、家庭裁判所に検認を申し立てます。民法1004条は、遺言書の保管者や遺言書を発見した相続人に、相続の開始を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所へ提出して検認を請求するよう定めています。

  • 封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人またはその代理人の立会いがなければ開封できません(民法1004条3項)
  • 家庭裁判所の外で開封した人などは、5万円以下の過料の対象になります(民法1005条)
  • 公正証書による遺言と、法務局で保管されている自筆証書遺言(遺言書情報証明書)は、検認が不要です

裁判所の案内では、検認は遺言書の形状や日付、署名などを明確にして偽造・変造を防ぐ手続きで、遺言の有効・無効を判断する手続きではないとされています。申立ての費用は、遺言書1通につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手です(裁判所「遺言書の検認」・2026年9月29日確認)。遺言の内容や効力で迷うときは、弁護士・司法書士にご相談ください。

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片付け業者を検討するときの確認事項

料金は荷物量と作業条件で大きく変わります。当サイトは実見積もりデータを持たないため金額は示していません。見積書では次の条件をご確認ください。

  • 荷物量と作業人数
  • 階段・駐車・搬出条件
  • 家電リサイクル料金
  • 追加料金とキャンセル条件

対応地域・料金・回収できる品目は、移動先の事業者サイトで最新条件をご確認ください。

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通帳・年金証書・権利証・借用書は、相続手続きと財産調査の材料になる

通帳や証書、契約書は、故人の財産と借金を家族が調べる材料になるため、手続きが終わるまで捨てずに1か所に集めます。民法915条2項は、相続人が相続の承認や放棄をする前に、相続財産の調査ができると定めています。

年金証書は未支給年金の請求で使う

日本年金機構は、年金を受けていた方が亡くなったときの未支給年金の請求で、添付書類の例に「亡くなった方の年金証書」を挙げています。手続きの流れは年金受給者が亡くなったときの手続きで解説しています。

権利証と固定資産税の通知書は不動産の手がかりになる

登記識別情報通知や登記済証(権利証)、固定資産税の納税通知書は、故人が持っていた不動産を確かめる手がかりです。法務省によると、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが法律上の義務になっています。

借用書・請求書・督促状は借金の手がかりになる

借用書やローンの契約書、カード会社などからの請求書・督促状は、故人の借金を知る手がかりです。借金が多いと分かったときに相続放棄を検討できるよう、封筒ごと保管しておきます。

保険証券と印鑑も手続きが終わるまで残す

保険証券は保険金の請求先を確かめる手がかりです。印鑑は、どの口座の届出印か分からないうちは処分せず、通帳と一緒に保管します。

スマホとパソコンは初期化や処分をせず、充電器と一緒に保管する

故人のスマホやパソコンは、ネット銀行・ネット証券・サブスクなどの契約を確かめる手がかりになるため、初期化や処分をせずに充電器ごと保管します。国民生活センターは、故人のスマホが開けずネット銀行の契約先が分からないという相談事例を紹介し、パスワードが分からないと第三者によるロック解除は困難だとしています(国民生活センター・2024年11月20日公表)。

国民生活センターは、サブスクは解約手続きをしない限り請求が続くとも注意しています。通帳やカードの明細で引き落とし先を確かめると、見落としを減らせます。スマホが開けないときの対処はデジタル遺品整理の料金相場と業者の選び方にまとめています。

レンタル品やリース品は故人の持ち物ではないため、捨てずに返却する

介護ベッドや車いすなどのレンタル品、リース契約の機器、人から預かっている物は、故人の持ち物ではないため捨てずに持ち主へ返します。民法601条も、賃貸借は契約が終了したときに借りた物を返還する約束だと定めています。

介護保険の福祉用具貸与では、車いす・特殊寝台(介護ベッド)・手すり・スロープ・歩行器などが貸与の対象です(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」)。契約書や請求書でレンタル品かを確かめ、ケアマネジャーや福祉用具の事業者に回収の日程を相談します。

相続放棄を考えているなら、財産になる物を処分する前に専門家へ相談する

相続放棄を考えている場合は、価値のある遺品を売ったり捨てたりする前に、弁護士や司法書士に相談してください。民法921条1号は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは単純承認をしたものとみなすと定めており、単純承認は借金を含めた権利と義務をすべて受け継ぐ選択だからです。

民法921条1号のただし書きは保存行為などを例外としていますが、どこまでが保存行為にあたるかは個別の事情で判断が分かれます。相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します(民法915条1項・裁判所ウェブサイト)。期限と必要書類は相続放棄の必要書類と期限で解説しています。

片付けは「探す→保留箱に集める→家族で確認→処分」の順に進める

片付けは、いきなり捨て始めず、「探す」「保留箱に集める」「家族で確認する」「処分する」の順に進めると安心です。国民生活センターは、遺品整理サービスの相談事例に「処分しないようにと頼んだ物を勝手に処分された」ケースを挙げ、残しておく遺品と処分する遺品を明確に分けておくよう助言しています(2018年7月19日公表)。

  1. 探す:机の引き出し、仏壇、金庫、タンス、郵便物(請求書や契約の通知が混ざる)を先に確認する
  2. 保留箱に集める:書類・貴重品の箱と、迷った物の箱を分け、「保留」と書いて1部屋にまとめる
  3. 家族で確認する:写真や形見の候補は、家族全員が見るまで処分しない
  4. 処分する:手続きが済み、家族が確認した物から手放す

業者に頼む場合も、保留箱と「処分しないもの」を作業の前に伝えておくと行き違いを防げます。業者選びの確認点は遺品整理業者の選び方にまとめています。

まとめ

  • 捨ててはいけないものは、手続きの書類、財産と借金の手がかり、スマホ・パソコン、レンタル品、思い出の品
  • 遺言書は開封せず、家庭裁判所で検認を受ける
  • 相続放棄を考えているなら、財産になる物を処分する前に弁護士・司法書士へ相談する
  • 迷った物は保留箱に集め、家族が確認してから手放す

まずは段ボールを2つ用意し、「書類・貴重品」と「保留」と書くところから始めてみてください。

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この記事について

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。相続・年金・税・登記などの手続きは、 個別の状況や法改正によって取り扱いが異なります。具体的な手続きや判断は、各市区町村窓口・ 年金事務所・法務局・税務署、および司法書士・税理士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。

編集・運営:株式会社Kogera「生前整理支援センター ふれあいの丘」。 実家じまい・遺品整理・生前整理の進め方を、当事者とご家族の目線でわかりやすくお届けしています。