相続・死後の手続き

相続税申告の必要書類|財産別チェックリストと取り方

相続税申告の必要書類|財産別チェックリス

「相続税の申告書に何を添付すればいいのか分からない」「集める書類が多くて、どこから手を付ければよいか迷う」という方へ。国税庁の「相続税の申告のためのチェックシート」と「相続税の申告の際に提出していただく主な書類」をもとに、必要書類を4つのグループに分けて、書類ごとの取得先をまとめました。

相続税申告の必要書類は、国税庁のチェックシートと「主な書類」の一覧で確認できる

相続税申告の必要書類は、国税庁の「相続税の申告のためのチェックシート(令和6年分以降用)」と、「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」にある「主な書類」の一覧で確認できます。チェックシートは「一般に誤りやすい事項をまとめたもの」で、申告書に添付して提出するようお願いされています(出典:国税庁 チェックシート(PDF)・国税庁「主な書類」(PDF)、2026年9月30日確認)。

令和8年中に亡くなった方の申告には様式一覧(令和8年分用)の様式を使い、原則として被相続人の住所地を所轄する税務署に、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に提出します(国税庁 No.4205)。期限は相続税の申告期限、申告の要否は相続税の基礎控除で確認できます。重複する書類は重ねて出す必要はなく、添付書類はのりづけせずクリップ等で留めます。

本人確認・相続人関係の書類は、戸籍謄本などと遺言書か遺産分割協議書の写し、本人確認書類の3種類

本人確認・相続人関係の書類は、特例を使わない一般の場合でも添付する基本の書類です。

書類

どこで取るか

□ 被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍の謄本(相続開始の日から10日を経過した日以後に作成)

本籍地の市区町村。本人・配偶者・直系の親族の戸籍は本籍地以外の窓口でも請求可(一部を除く)

□ または図形式の法定相続情報一覧図の写し(子が実子か養子か分かるもの)

被相続人の本籍地等を管轄する法務局

□ 養子がいる場合は養子の戸籍の謄本または抄本

本籍地の市区町村

□ 遺言書の写しまたは遺産分割協議書の写し

手元の原本をコピー

□ 各相続人の本人確認書類の写し(マイナンバーの番号確認と身元確認)

手元のマイナンバーカード(表裏)、運転免許証など

戸籍の謄本と一覧図の写しはどちらか一方でよく、コピーでも構いません(出典:国税庁「主な書類」、法務局「必要な書類とその入手先等」(PDF))。一覧図の作り方は法定相続情報一覧図とはで解説しています。

財産の書類は、不動産・預貯金・有価証券・生命保険などの種類ごとに、残高や評価額が分かる資料を集める

財産の書類は、チェックシートの「検討資料」欄に種類ごとに示されています。添付欄にチェックボックスがない項目は添付不要とされているため、添付の要否はチェックシートで確かめます。

財産

主な検討資料

どこで取るか

□ 不動産

固定資産税評価証明書、登記事項証明書など

評価証明書は不動産がある市区町村(東京23区は都税事務所)、登記事項証明書は法務局

□ 預貯金

残高証明書、預貯金通帳など

口座のある金融機関

□ 有価証券

証券、株券、預り証、配当金支払通知書

手元の書類、取引先からの通知

□ 生命保険金・退職手当金

保険証券、支払保険料計算書、退職金の支払調書など

手元の書類、保険会社や勤務先からの書類

□ その他

借用証(貸付金)、会員証(ゴルフ会員権)、準確定申告書の控え(還付金)など

手元の書類

チェックシートは、未登記・共有・先代名義・他の市区町村にある不動産がないかも確認項目にしています。預貯金は相続開始日現在の残高で計上します。固定資産課税台帳は市町村役場が管理し、23区の都税事務所なら他区の資産の証明も申請できます(出典:国税庁 No.7191・東京都主税局・法務局)。財産の洗い出しには財産目録テンプレートも使えます。

債務と葬式費用の書類は、差し引く金額の根拠になる納付書・請求書・領収証で、法要や墓石の費用は含めない

債務と葬式費用の書類は、遺産から差し引く借入金や未納の税金、葬式費用の根拠を示す資料です。

項目

主な検討資料

どこで取るか

□ 借入金・未払金・未納の税金

納付書、納税通知書、請求書、手形

手元に届いた書類

□ 預り敷金

賃貸借契約書

手元の契約書

□ 葬式費用

領収証、請求書等

手元の領収証など

□ 相続放棄をした相続人

相続権利放棄申述の証明書

家庭裁判所に申請

チェックシートには、葬式費用に法要や香典返し、墓石や仏壇の購入費用が含まれていないかを確かめる項目があります。相続放棄受理証明書は、受理後に家庭裁判所へ申請書を出して取得します(出典:静岡家庭裁判所)。

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使うときは、相続人全員の印鑑証明書などを追加で添付する

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使う場合は、基本の書類に加えて特例ごとの書類を添付します。

特例など

追加する主な書類

どこで取るか

□ 配偶者の税額軽減

相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したもの)、分割できない場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」

印鑑証明書は各相続人の住所地の市区町村

□ 小規模宅地等の特例

配偶者の税額軽減と同じ書類+宅地等の区分に応じた書類(老人ホーム入所の場合は被相続人の戸籍の附票の写し、介護保険の被保険者証の写し、入所時の契約書の写しなど)

戸籍の附票は本籍地の市区町村、ほかは手元の書類

□ 相続時精算課税の適用者がいる

被相続人の戸籍の附票の写し(相続開始の日以後に作成)

本籍地の市区町村

配偶者の税額軽減は、戸籍謄本等のほか、配偶者の取得した財産が分かる遺言書や遺産分割協議書の写しを添えて申告します(国税庁 No.4158)。小規模宅地等の特例も、計算の明細書や遺産分割協議書の写しなど一定の書類が必要です(国税庁 No.4124)。介護保険の被保険者証の写しは、保険者番号と被保険者番号を塗り潰します。

見落としやすいのは、本人確認書類、印鑑証明書の原本、家族名義の財産、3年以内の贈与の資料

相続税申告の必要書類のうち、チェックシートの確認項目になっていて漏れやすいものを4つ挙げます。

本人確認書類の写しは相続人ごとに必要で、e-Taxなら不要

申告書に記載された各相続人のマイナンバーを税務署が確認するため、本人確認書類の写しを添付します。税務署の窓口で出す人は提示でもよく、e-Taxなら不要です。亡くなった方のマイナンバーは、平成28年10月以降に出す申告書では記載不要です(国税庁)。

特例を使うときの印鑑証明書は原本を出す

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などを使う場合、チェックシートは印鑑証明書の原本の提出を求めています。遺産分割協議書には、住所地の市区町村長の印鑑証明を受けた印を押します(相続税の申告のしかた)。

家族名義でも被相続人に帰属する預金や保険は財産に含める

チェックシートは、名義は異なるが被相続人に帰属する預貯金や有価証券、被相続人が保険料を負担していた家族名義の生命保険契約がないかを確認項目にしています。家族名義の通帳や保険証券も集めておくと安心です。

亡くなる前3年以内の贈与は申告書の控えや通帳で確かめる

暦年課税の贈与は、相続開始前3年以内の贈与財産を、基礎控除額未満の分も含めて加算しているかが確認項目です。資料は贈与証書、贈与税の申告書(控)、預貯金通帳です。No.4205 では、相続開始日が令和8年12月31日以前なら加算対象期間は3年以内です。

書類集めや特例の判断に迷ったときは、所轄の税務署か税理士に相談し、不動産は価値の目安も確かめる

相続税申告の書類は、相続人の構成、財産の種類、使う特例によって変わります。必要な書類や特例の要件に迷ったときは、所轄の税務署か税理士に相談してください。実家などの不動産を相続する場合は、査定で相場を確かめておくと、遺産分割の話し合いを進めやすくなります。

記事を読んだら、お住まいの市区町村の具体的な情報や費用の目安を確かめてみましょう。

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この記事について

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。相続・年金・税・登記などの手続きは、 個別の状況や法改正によって取り扱いが異なります。具体的な手続きや判断は、各市区町村窓口・ 年金事務所・法務局・税務署、および司法書士・税理士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。

編集・運営:株式会社Kogera「生前整理支援センター ふれあいの丘」。 実家じまい・遺品整理・生前整理の進め方を、当事者とご家族の目線でわかりやすくお届けしています。