相続・死後の手続き

法定相続情報一覧図とは|必要書類と相続関係説明図

法定相続情報一覧図とは|必要書類と相続関

「親が亡くなり、法務局や銀行ごとに戸籍の束を出し直すのが大変」という方へ。法務局の法定相続情報証明制度を使うと、相続関係を一覧にした法定相続情報一覧図の写しを無料で受け取り、戸籍の束の代わりに使えます。法務局の公表情報をもとに、必要書類・作り方・申出先・相続関係説明図との違いを整理します。

法定相続情報一覧図は、登記官の認証文付きの写しを戸籍の束の代わりに使える相続関係の図

法定相続情報一覧図は、亡くなった方と戸籍から分かる相続人を一覧にした図です。相続人が戸除籍謄本等の束と一緒に登記所(法務局)へ出すと、登記官が民法の相続関係と合っているかを確認し、認証文付きの写しを無料で交付します。平成29年5月に始まった法定相続情報証明制度の仕組みで、手続きは不動産登記規則第247条に定められています。

一覧図に載るのは、亡くなった方の氏名・生年月日・最後の住所・死亡の年月日と、相続人の氏名・生年月日・続柄です。写しは偽造防止措置を施した専用紙で交付され、遺産が預金だけの場合でも利用できます。

法定相続情報一覧図が役立つのは、相続登記・預金・相続税・年金など手続きが複数あるとき

法定相続情報一覧図の写しは、相続登記のほか、亡くなった方名義の預金の払戻し、相続税の申告、死亡に起因する年金等の手続きなどに使えます。法務局は、戸除籍謄本等の束を何度も出し直す必要がなくなる点を制度のメリットとして挙げています。

制度を使わずに相続登記をすると、不動産が複数の法務局の管轄にまたがる場合は法務局ごとに戸除籍謄本等の原本の束が必要です。写しは必要な範囲で複数通発行されるため、銀行や法務局の手続きを並行して進められます。

令和6年4月1日からは、不動産登記の申請書に一覧図の写しの右肩にある法定相続情報番号を書けば、写しの添付を省略できます(不動産登記の手続きに限る)。使えるか分からない手続きは、提出先の機関に確認してください。

相続登記の流れは相続登記の義務化と手続きの順番、預金は銀行口座の凍結解除に必要な書類で解説しています。

法定相続情報一覧図を申し出できるのは相続人で、親族や司法書士などの専門家に代理を頼むこともできる

法定相続情報一覧図の申出人になれるのは、亡くなった方の相続人と、その相続人の地位を相続により承継した人です。委任による代理人になれるのは親族のほか、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士です。

亡くなった方や相続人に日本国籍がないなどで戸除籍謄抄本を出せない場合は、法定相続情報証明制度を利用できません。

法定相続情報一覧図の必要書類は、亡くなった方の戸除籍謄本・住民票の除票・相続人の戸籍・本人確認書類

法務局の必要書類の案内をもとに、申出に使う書類をまとめました。①〜④は必ず用意し、⑤〜⑦は該当する場合だけ用意します。

書類

取得先

注意点

①亡くなった方の出生から亡くなるまでの連続した戸籍謄本・除籍謄本

亡くなった方の本籍地の市区町村役場

結婚や転籍、改製で複数にわたることがある

②亡くなった方の住民票の除票

最後の住所地の市区町村役場

—

③相続人全員の現在の戸籍謄本または抄本

各相続人の本籍地の市区町村役場

亡くなった日以後の証明日のもの

④申出人の氏名・住所を確認できる公的書類

—

運転免許証(表裏)やマイナンバーカード(表面)のコピー、住民票の写しなど

⑤各相続人の住民票の写し

各相続人の住所地の市区町村役場

一覧図に相続人の住所を書く場合のみ。印鑑証明書や戸籍の附票でも代用できる

⑥委任状など

—

代理人が申し出る場合のみ

⑦亡くなった方の戸籍の附票

亡くなった方の本籍地の市区町村役場

②の住民票の除票が廃棄などで取れない場合のみ

兄弟姉妹が相続人になるときなどは、亡くなった方の親などの戸除籍謄本も必要になる場合があります。法務局は、役場で請求するときに「相続手続きのため出生から亡くなるまでの連続した戸除籍謄本が必要」と伝えるよう案内しています。

戸除籍謄本や住民票の除票などは一覧図の写しの交付時に返却されますが、④の本人確認書類は返却されません。

法定相続情報一覧図は相続人が自分で作り、法務局の様式・記載例に沿ってA4の白い紙にまとめる

法定相続情報一覧図は、申出人か代理人が戸籍の記載をもとにA4サイズの白い紙に作成し、作成日と作成者の記名を入れます。法務省民事局の資料では、明瞭に判読できれば手書きでもよいとされています。法務局の主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例には、配偶者と子、配偶者と兄弟姉妹、代襲相続などのパターン別の様式があり、相続人を列挙する形式でも作れます。

法定相続情報一覧図で間違えやすい4つの点

  • 相続放棄をした相続人も氏名・生年月日・続柄を書き、放棄したことは一覧図に載らない。推定相続人から廃除された人は書かない
  • 続柄は戸籍どおりのほか「子」「配偶者」とも書けるが、そう書くと相続税の申告などに使えない場合がある
  • 相続人の住所の記載は任意。書くと相続登記などで住民票の写しが不要になることがあるが、交付後に住所が変わっても再申出はできない
  • 相続が続けて起きている場合は、亡くなった方1人ごとに一覧図を作る

登記官から書類の不足や一覧図の誤りを直すよう求められても応じないと、預けた書類一式が返戻されます。相続放棄の手続きは相続放棄の必要書類と期限で解説しています。書き方や必要な戸籍の範囲に迷ったら、申出先の登記所の手続案内か司法書士に相談してください。

法定相続情報一覧図の申出先は4つの地のいずれかを管轄する登記所で、窓口のほか郵送でも申し出できる

法定相続情報一覧図の申出書は、次の4つのいずれかの地を管轄する登記所から選んで出せます。

  • 亡くなった方の本籍地(死亡時の本籍)
  • 亡くなった方の最後の住所地
  • 申出人の住所地
  • 亡くなった方名義の不動産の所在地

申出と一覧図の写しの受け取りは、郵送でもできます。郵送で受け取るときは申出書にその旨を書き、返信用の封筒と郵便切手を同封します。窓口で受け取るときは、申出書と同じ住所・氏名が載った運転免許証などを持参します。申出書の様式と記入例は、法務局の法定相続情報証明制度の具体的な手続についてに掲載されています。実家が遠い方は、住所地の登記所か郵送を選べます。

法定相続情報一覧図と相続関係説明図の違いは、登記官の認証文付きの写しが交付されるかどうか

相続関係説明図は、相続登記の申請書に戸籍謄本などと一緒に付ける書面で、提出すると登記の調査が終わった後に戸籍謄本等の原本を返してもらえます(原本還付)。法定相続情報一覧図は、登記官の認証文付きの写しが交付され、戸籍の束の代わりとして相続登記以外の手続きにも使えます。

項目

法定相続情報一覧図の写し

相続関係説明図

主な使い道

相続登記、預金の払戻し、相続税の申告、年金等の手続き

相続登記の申請で戸籍謄本等の原本を返してもらう

法務局での扱い

登記官が戸籍と照合し、認証文付きの写しを交付(5年間保存)

登記申請書に添えて出し、調査後に戸籍の原本が返る

遺産分割の結果

反映されない。遺産分割協議や相続放棄の書類は別に必要

法務局の記載例では、遺産分割で不動産を相続しなかった人に「(分割)」と書く

相続関係説明図の記載例は、法務局の不動産登記の申請書様式についての相続登記の記載例に含まれています。法務局の相続登記の案内も、申請に先立って制度の利用の検討を勧めています。銀行や年金の手続きも控えているなら、先に法定相続情報一覧図を取ると戸籍の束の出し直しを減らせます。法務局の記載例と同じ項目で作った相続関係説明図のテンプレート(エクセル・Word・記入例つき)も無料で配布しています。

法定相続情報一覧図でよくある質問

Q. 法定相続情報一覧図の取得に費用はかかりますか?

法定相続情報証明制度は無料で利用できます。ただし、戸籍謄本の取得には所定の手数料がかかり、郵送で申し出たり受け取ったりするときは郵送料が必要です。

Q. 法定相続情報一覧図の写しは何通もらえますか?

相続手続きに必要な限度の通数が交付されます。

Q. 後から法定相続情報一覧図の写しが足りなくなったら?

法定相続情報一覧図は申出日の翌年から数えて5年間保存され、その間は再交付を受けられます。再交付を申し出られるのは当初の申出人だけで、申出先は当初の申出をした登記所です。

Q. 法定相続情報一覧図の写しは何日で交付されますか?

法務局の制度案内のページに交付までの日数は書かれていません。登記官が書類の不足や誤りがないことを確認してから交付されるため、急ぐ場合は申出先の登記所に確認してください。

まとめ

  • 法定相続情報一覧図の写しは、戸籍の束の代わりに相続登記・預金・相続税・年金等の手続きで使え、無料で必要な通数が交付される
  • 必要書類は戸除籍謄本・住民票の除票・相続人の戸籍・本人確認書類が基本で、郵送でも申し出できる
  • 相続関係説明図は相続登記で戸籍の原本を返してもらう書面で、ほかの手続きもあるなら法定相続情報一覧図が便利

亡くなった後の手続き全体の順番は死後の手続き完全チェックリストで確認できます。実家の相続登記を進めるときは、売る・住む・貸すを決める材料として、家の価値を早めに把握しておくと落ち着いて判断できます。

記事を読んだら、お住まいの市区町村の具体的な情報や費用の目安を確かめてみましょう。

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この記事について

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。相続・年金・税・登記などの手続きは、 個別の状況や法改正によって取り扱いが異なります。具体的な手続きや判断は、各市区町村窓口・ 年金事務所・法務局・税務署、および司法書士・税理士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。

編集・運営:株式会社Kogera「生前整理支援センター ふれあいの丘」。 実家じまい・遺品整理・生前整理の進め方を、当事者とご家族の目線でわかりやすくお届けしています。