墓じまい後の遺骨はどうする|永代供養・樹木葬・散骨

「墓じまいをした後、遺骨はどこへ移せばいい?」「永代供養と散骨、どちらが家族に合う?」と迷っている方へ。墓じまい後の遺骨の行き先は、永代供養墓(合葬墓)・樹木葬・納骨堂・散骨・手元供養の5つです。改葬許可の要否、公表されている費用、後から遺骨を取り出せるかを、法令と自治体の公式情報で比べました。

墓じまい後の遺骨の行き先は、永代供養墓・樹木葬・納骨堂・散骨・手元供養の5つから選ぶ

墓じまい後の遺骨は、墓地や納骨堂に納め直すか、墓地の外で散骨や自宅保管をするかに大きく分かれます。「永代供養」「樹木葬」は墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)に定義のある言葉ではなく、内容は施設ごとに異なります。費用は公表値がある項目だけ数字を載せました(確認日:2026年9月30日)。

行き先

納め方

改葬許可

費用の公表値

永代供養墓・合葬墓

墓地の管理者が管理を続けるお墓。ほかの人の遺骨と一緒に埋蔵する形がある

必要

都立霊園の合葬埋蔵施設は遺骨1体53,000円〜131,000円(令和8年度)。寺院・民営は施設により異なる

樹木葬

墓地の区域で樹木や草花を墓標にして埋蔵

必要

購入者の平均71.7万円(鎌倉新書調査)。都立の樹林型合葬埋蔵施設は1体95,000円・112,000円

納骨堂

許可を受けた屋内施設に収蔵

必要

購入者の平均81.5万円(鎌倉新書調査)

散骨

粉状に砕いて海や山に撒く

法の手続きはないが、墓から取り出すときの扱いは市区町村で異なる

事業者により異なる

手元供養

自宅で骨壷などに入れて保管

保管の規定はない。取り出すときの書類は市区町村に確認

品物により異なる

平均額は、鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」の平均購入金額です(2025年に同社サイト経由でお墓を購入した人が対象、有効回答1,267件。一般墓は152.0万円)。全国の相場を示す数字ではありません。

墓地や納骨堂へ移すときは改葬許可が要り、散骨と自宅保管には墓地埋葬法の手続きがない

墓地埋葬法は、埋蔵した焼骨を「他の墳墓又は納骨堂に移すこと」を改葬と定め(第2条第3項)、改葬には市町村長の許可を求めています(第5条)。永代供養墓・樹木葬・納骨堂へ移す場合は、今のお墓がある市区町村で改葬許可を受けてから遺骨を取り出します。墓じまいの手順と費用の内訳は墓じまいの費用で整理しています。

散骨と自宅保管の扱いは自治体によって案内が異なります。東京都保健医療局は散骨について「法による手続きはありません」としつつ、お墓から取り出す場合は「区市町村により取扱いが異なります」と案内しています。京都府京丹後市は「分骨、散骨、自宅保管において改葬許可申請は不要」としています。散骨や手元供養を選ぶときは、今のお墓がある市区町村と墓地の管理者に、取り出しに必要な書類を確認してください。

永代供養墓・合葬墓は承継者がいなくても管理が続くが、合葬した遺骨は取り出せない場合がある

永代供養墓や合葬墓は、墓を継ぐ人がいなくても墓地の管理者が管理を続けるお墓で、承継者のいない家の墓じまい後の行き先になります。一方で、ほかの人の遺骨と一緒に埋蔵した後は、遺骨を個別に取り出せない場合があります。

東京都の都立霊園の合葬埋蔵施設には、使用許可から20年間個別に保管した後に共同埋蔵する形と、納骨後すぐに共同埋蔵する形があります。都立霊園の令和8年度申込みのしおりは、直接共同埋蔵する施設について「埋蔵した遺骨はお返しすること(改葬、自宅引取り)はできません」と明記しています。種類ごとの違いは永代供養の種類と費用相場で比べられます。

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墓石の撤去費用は、石材店ごとに見積もりが違います

墓じまいの費用のうち、墓石の撤去・整地にかかる部分は石材店に見積もりを出してもらって確かめます。墓石ナビは、見積もりを依頼したい内容として「墓じまいをしたい」を選べる一括見積もりサービスです。複数の石材店の条件を並べて比べたいときに使えます。

  • 撤去する区画の広さと、墓石の大きさ・基数
  • 重機が入れるか(入れない場合の作業方法)
  • 整地して返還するまで含まれるか
  • 見積もりに含まれない費用の範囲
当サイトは、お墓を残すことも墓じまいをすることも勧める立場ではありません。供養の方法はご家族・ご親族で話し合って決めてください。離檀料や墓地の管理者との取り決めは石材店の見積もりの範囲外です。対応エリア・見積もりの条件は、移動先の公式ページでご確認ください。
墓石ナビで一括見積もりの条件を確認する

石材店の一括見積もりサービス「墓石ナビ」の公式サイトへ移動します

樹木葬と納骨堂は墓地・納骨堂として許可された施設で、平均購入金額は70万〜80万円台

樹木葬と納骨堂は、どちらも墓地埋葬法の許可を受けた墓地または納骨堂に遺骨を納める方法で、移すときは改葬許可が必要です。同法は納骨堂を「都道府県知事の許可を受けた施設」と定めています(第2条第6項)。鎌倉新書の調査では平均購入金額が樹木葬71.7万円、納骨堂81.5万円でした。樹木葬の選び方は樹木葬とはで解説しています。

散骨は厚生労働省のガイドラインに沿って行い、お墓から出す前に市区町村に確認する

散骨は墓地埋葬法に規定のない葬送で、節度をもって行うための目安として厚生労働省が「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」(令和2年度の厚生労働科学特別研究事業で取りまとめ)を公表しています。東京都保健医療局の散骨に関する留意事項は、国の見解として「墓地、埋葬等に関する法律においてこれを禁止する規定はない」と紹介しています。ガイドラインが事業者に求める主な点は次のとおりです。

  • 焼骨は「その形状を視認できないよう粉状に砕くこと」
  • 海洋では海岸から一定の距離以上離れた海域、陸上ではあらかじめ特定した区域で行う
  • 地域住民や漁業者などの利益、宗教感情を害さないよう配慮する
  • 契約は文書で交わし、費用の明細書を添付し、散骨証明書を交付する

ガイドラインは地方公共団体の条例の遵守も求めています。方法と費用の比べ方は散骨の方法と費用相場にまとめています。

手元供養は自宅での保管に法律の規定がないが、自宅の庭に遺骨を埋めることはできない

手元供養として骨壷を自宅に置くことについて、東京都保健医療局のよくある質問は「自宅での焼骨の保管については特に規定はありません」と回答しています。ただし墓地埋葬法第4条は「焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない」と定めており、自宅の庭に埋めることはできません。

一部を手元に残して残りを墓地に納める分骨もできます。香川県三豊市は、分骨には分骨証明書が必要と案内しています。

公営の合葬墓は自治体の公募で探し、募集時期と居住年数の条件を確認する

公営の合葬墓は、都や市が期間を決めて使用者を公募しており、募集時期と申込資格は自治体ごとに異なります。東京都は都立霊園の「募集は年一回」と案内しています。東京都の令和8年度 都立霊園の使用者募集では、申込期間が6月12日〜7月3日、抽選日が8月14日でした。合葬埋蔵施設の申込資格には、都内(八柱霊園は都内又は千葉県松戸市)に3年以上継続して居住していることや、申込者が遺骨の祭祀の主宰者であることが含まれます。お寺や公営・民営の墓地に納めている遺骨は、「改葬骨を認めている区分のみ」申し込めます。

横浜市は市営墓地・納骨堂の募集を原則として毎年9月に受け付けており、令和8年度は9月1日〜9月30日でした。お住まいの市区町村の公式サイトで「合葬式墓地」「使用者募集」と検索すると、公募の有無を確かめられます。

家族・親族との話し合いは「誰が決めるか」「お参りの場所」「取り出せるか」「費用」の4点で進める

墓じまい後の遺骨の行き先は、合葬や散骨をすると後から元に戻せない場合があるため、親族の考えを先にそろえておくと後悔が残りにくくなります。民法第897条は、墳墓の所有権は慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継すると定めています。

  1. 誰が決めるか:祭祀を主宰する人と、今の墓地の名義人を確かめる
  2. お参りの場所:個別の墓標や納骨壇を残すか、場所にこだわらないか
  3. 取り出せるか:合葬や散骨の後は遺骨を戻せない場合がある
  4. 費用:誰がどれだけ負担するか

東京都武蔵野市は、今の墓地の使用者と新しい墓地の使用者が違う場合に使用者の承諾が必要で、使用者が亡くなっていれば「相続人全員の承諾が必要」と案内しています。親族の意見がまとまらないときは、弁護士などの専門家へ相談してください。

墓じまい後の遺骨についてよくある質問

墓じまいで取り出した遺骨はどうなりますか?

墓じまいで取り出した遺骨は、改葬許可証を今の墓地の管理者に見せて引き取り、新しい納骨先の管理者に改葬許可証を出して納めます(武蔵野市の案内)。

遺骨を処分する方法はありますか?

遺骨を墓地以外の場所に埋めることは墓地埋葬法第4条で禁じられています。お墓を継ぐ人がいない場合は、自治体の合葬墓や寺院・霊園の永代供養墓に納めるか、ガイドラインに沿って散骨する方法があります。

永代供養にするとお布施は別に必要ですか?

永代供養のお布施が永代供養料に含まれるかは寺院や霊園によって異なります。金額と含まれる内容を申し込み前に書面で確認してください。

まとめ

墓じまい後の遺骨の行き先は、永代供養墓・樹木葬・納骨堂なら改葬許可が必要で、散骨と手元供養は取り出すときの扱いが市区町村で異なります。合葬や散骨は元に戻せない場合があるため、親族で4つの論点を話し合ってから、今のお墓がある市区町村と墓地の管理者に手続きを確認しましょう。

記事を読んだら、お住まいの市区町村の具体的な情報や費用の目安を確かめてみましょう。

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全国1,726自治体の収録データから、公式ページと掲載値を編集確認済みの補助制度を確認できます。

※補助金情報は各自治体の公開情報をもとにした独自調査です。制度・金額・募集状況は更新されるため、申請前に自治体の公式情報をご確認ください。

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この記事について

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。相続・年金・税・登記などの手続きは、 個別の状況や法改正によって取り扱いが異なります。具体的な手続きや判断は、各市区町村窓口・ 年金事務所・法務局・税務署、および司法書士・税理士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。

編集・運営:株式会社Kogera「生前整理支援センター ふれあいの丘」。 実家じまい・遺品整理・生前整理の進め方を、当事者とご家族の目線でわかりやすくお届けしています。