墓じまいの費用|内訳・誰が払う・お金がないとき
「墓じまいにはいくらかかるの?」「費用は誰が払うの?」「まとまったお金がないときはどうすれば?」と悩んでいる方へ。墓じまいの費用を4つの内訳に分け、公開調査の実額の分布、祭祀承継者と費用分担の考え方、お金がないときの選択肢、見積もりで比べる項目を順に整理します。
墓じまいの費用は「撤去工事・お布施・改葬手続き・新しい納骨先」の4つに分かれる
墓じまいの費用は、墓石の撤去工事、閉眼供養のお布施、改葬の手続き、新しい納骨先の4つに分かれ、総額はお墓の広さや立地、改葬先の種類で大きく変わります。
内訳 | 支払先 | 金額が変わる条件 | 公表されている目安 |
|---|---|---|---|
墓石の撤去工事 | 石材店 | 区画の広さ、墓石・外柵の量、重機が入るか | 公的な相場はなく、見積もりで確かめる |
閉眼供養のお布施 | 菩提寺・僧侶 | 宗派・寺院・地域 | 決まった金額はない |
改葬の手続き | 市区町村・墓地の管理者 | 自治体の条例、埋蔵証明の手数料 | 改葬許可は横浜市が無料、越前市が300円 |
新しい納骨先 | 霊園・寺院 | 合祀か個別か、個別に安置する期間 | 都立霊園の合葬埋蔵施設は遺骨1体5万3,000円〜(令和8年度) |
実際にかかった総額は「31万〜70万円」が最多で、151万円以上も14.0%ある
墓じまいを実施した方に総額を尋ねた株式会社鎌倉新書の調査では、「31万円〜70万円」が31.3%で最も多く、30万円以下の16.8%と合わせて約48%が70万円以下でした。一方で151万円以上も14.0%あり、金額には大きな幅があります(出典:鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」2026年1月実施・有効回答733件)。
鎌倉新書の調査の対象は同社の「いいお墓」を利用した方で、全国の平均値ではありません。検討してやめた理由の1位も「解体費用が高すぎた」(22.2%)で、費用が大きな壁になっています。
内訳ごとの費用は、撤去は現地の条件、お布施は寺院、手続きは自治体で決まる
墓じまいの内訳ごとの費用は、撤去工事が現地の条件、お布施が寺院、改葬許可の手数料が自治体の条例、新しい納骨先が供養の種類で決まり、確認する相手も内訳ごとに変わります。
墓石の撤去工事は、区画の広さと重機が入るかで金額が変わる
墓石の撤去費用は、区画の面積、墓石と外柵の量、重機が入れるか、階段や坂を手で運ぶ必要があるかによって変わります。公的な相場はなく、現地を見たうえでの見積もりが基準です。工事できる石材店を墓地の管理者が指定していることもあるため、見積もりを頼む前に管理者へ確かめます。
閉眼供養のお布施と離檀料には、決まった金額も法律の定めもない
閉眼供養のお布施は、宗派や寺院、地域で考え方が異なり、決まった金額はありません。迷うときは菩提寺に直接たずねてかまいません。離檀料は寺院を離れる際のお礼として求められることがありますが、支払いや金額を定めた法律はありません。
国民生活センター「墓・葬儀サービス」には、墓じまいで高額な離檀料を請求され、規約などの定めもなく請求の根拠が分からないという相談事例が載っています。金額に納得できないときは、寺院の規約や契約書に定めがあるかを確認し、消費者ホットライン188や弁護士に相談してください。
改葬許可の手数料は自治体が条例で定め、無料のところもある
遺骨を別のお墓へ移すには、墓地、埋葬等に関する法律第5条にもとづき、お墓がある市区町村の改葬許可が必要です。手数料は地方自治法第228条により各自治体が条例で定めるため、金額は自治体ごとに違います。
たとえば横浜市は改葬許可証の手数料を無料、福井県越前市は300円と公表しています(2026年9月29日確認)。横浜市は、墓地の管理者が出す埋蔵証明に手数料がかかる場合があるとも案内しています。書類をそろえる順番は墓じまいの流れ(7ステップと改葬許可の取り方)で解説しています。
新しい納骨先の費用は、種類によって数万円から100万円超まで幅がある
新しい納骨先の費用は種類で大きく異なります。鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」では、平均購入金額が一般墓152.0万円、納骨堂81.5万円、樹木葬71.7万円でした(同社サイト経由の購入者1,267件)。
公営では、東京都の令和8年度の都立霊園募集で、ほかの方の遺骨と一緒に埋蔵する合葬埋蔵施設が遺骨1体あたり5万3,000円(八柱霊園)・5万8,000円(小平霊園)でした。都立霊園には居住年数などの申込資格と抽選があります。種類ごとの違いは永代供養の種類と費用相場と樹木葬とは|費用とメリット・デメリットで比べています。
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墓石の撤去費用は、石材店ごとに見積もりが違います
墓じまいの費用のうち、墓石の撤去・整地にかかる部分は石材店に見積もりを出してもらって確かめます。墓石ナビは、見積もりを依頼したい内容として「墓じまいをしたい」を選べる一括見積もりサービスです。複数の石材店の条件を並べて比べたいときに使えます。
- 撤去する区画の広さと、墓石の大きさ・基数
- 重機が入れるか(入れない場合の作業方法)
- 整地して返還するまで含まれるか
- 見積もりに含まれない費用の範囲
石材店の一括見積もりサービス「墓石ナビ」の公式サイトへ移動します
墓じまいを進めるのは祭祀承継者で、費用の分担は親族の話し合いで決める
墓じまいを決めて手続きを進めるのは、お墓を受け継いだ祭祀承継者です。民法第897条は、墳墓の所有権は慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継し、故人の指定があればその人が承継すると定めています。
- お墓は相続財産とは別に承継される:民法第897条は「前条の規定にかかわらず」と定め、預貯金などの相続と分けています
- 慣習が明らかでないとき:承継する人は家庭裁判所が定めます(民法第897条第2項)
- 費用の分担割合を定めた規定はない:民法第897条は承継する人を定める条文で、兄弟で費用をどう分けるかまでは定めていません
- 名義人と申請者が違うとき:横浜市は、墓地の使用者と改葬の申請者が異なる場合は委任状や承諾書が必要になると案内しています
親族で分けるときは、誰がいくら出すか、故人の預貯金から支払うかを話し合い、決めた内容を書面に残します。まとまらないときは弁護士に相談してください。
お金がないときは、見積もりの比較・支払い方法の確認・改葬先の見直しで総額を抑える
墓じまいの費用がすぐに用意できないときは、撤去工事の見積もりを比べる、支払いの時期や分割の可否を確かめる、改葬先を費用の小さい種類にする、という3つの方向で総額と負担の時期を調整します。
- 撤去工事の見積もりを比べる:同じ条件で複数の石材店に見積もりを依頼すると、工事の範囲と金額の違いが見えます(指定石材店がある墓地を除く)
- 支払い方法を確かめる:分割払いや支払い時期の相談に応じるかは石材店や霊園によって異なるため、契約前に確認します
- 改葬先を見直す:合葬・合祀型は一般墓より費用が小さい傾向があります。公営霊園は募集時期と申込資格を確かめます
- 補助制度の有無を確かめる:墓じまいに使える補助の有無や条件は自治体で異なるため、お墓のある市区町村に問い合わせます
石材店の見積もりは「工事の範囲・原状回復・追加費用」をそろえて比べる
石材店の見積もりは、合計金額だけでなく、工事の範囲、区画を返すときの原状回復の状態、追加費用が出る条件をそろえて見ると、後から金額が増える見積もりを見分けやすくなります。
比べる項目 | 見積書で確かめること |
|---|---|
工事の範囲 | 墓石・外柵・基礎・植栽のどこまで撤去するか |
原状回復 | 墓地の管理者が求める返還時の状態に合っているか |
撤去した石の処分 | 運搬費と処分費が金額に含まれているか |
搬出の条件 | 重機が入れない、階段を手で運ぶなどの割増があるか |
追加費用 | どんなときに金額が増えるか、事前に書かれているか |
支払い | 支払いの時期、分割の可否、キャンセルの扱い |
複数の石材店にまとめて見積もりを依頼できる一括見積もりサービスを使うと、同じ条件で比べやすくなります。依頼の前に、墓地に指定石材店があるかを管理者に確認してください。
墓じまいの費用に関するよくある質問
Q. 墓じまいの費用は平均いくらですか?
公的な全国平均はありません。鎌倉新書の2026年の調査では「31万円〜70万円」が31.3%で最多、151万円以上も14.0%でした。
Q. 離檀料は払わなければいけませんか?
離檀料の支払いや金額を定めた法律はありません。寺院の規約や契約に定めがあるかを確認し、納得できないときは消費者ホットライン188や弁護士に相談してください。
まとめ
- 墓じまいの費用は、撤去工事・お布施・改葬手続き・新しい納骨先の4つに分けて考える
- 実額は「31万〜70万円」が最多(鎌倉新書2026年調査)だが、全国平均ではなく幅が大きい
- お布施と離檀料に決まった金額はなく、費用の分担は親族の話し合いで決める
まずは墓地の管理者に指定石材店と原状回復の範囲を確かめ、同じ条件で見積もりをそろえるところから始めてみてください。
次の一歩:あなたの地域で調べる・試算する
記事を読んだら、お住まいの市区町村の具体的な情報や費用の目安を確かめてみましょう。
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