墓じまいの補助金|対象になる自治体と条件

「墓じまいに補助金は出るの?」「うちの自治体にも制度はある?」と調べている方へ。墓じまいの補助金は国の制度ではなく、自治体が運営する墓地(市営霊園など)を返還する人に向けた制度がほとんどです。16自治体の公式ページで確認した制度の対象・金額・条件を表にまとめ、補助が無い場合に費用を抑える方法も整理しました。

墓じまいの補助金は国の制度ではなく、公営墓地を返還する人向けの自治体の制度が中心

墓じまいの費用を補助する制度は、2026年9月29日に確認した範囲では、すべて都や市が運営する墓地(都立霊園・市営霊園など)を返還する使用者を対象にしたものでした。墓地行政を所管する厚生労働省「墓地・埋葬等のページ」にも、墓じまいの費用を補助する国の制度の案内は見当たりません。

墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)第5条は、改葬(遺骨を別の墓や納骨堂へ移すこと)に市町村長の許可を求めていますが、これは手続きの規定で、費用の補助を定めたものではありません。自治体の制度は、次の3種類に分かれます。

  • 墓石撤去・原状回復費用の助成:返還のために墓石を撤去した費用の一部を補助
  • 使用料の還付・返還協力金:最初に納めた使用料の一部を返す。未使用や短期間の返還に限る自治体が多い
  • 合葬墓への移行:遺骨を自治体の合葬式墓地へ移す際の使用料を不要にする

寺院の境内墓地や民営霊園の墓じまいは、どの制度でも対象外です。制度は各自治体が運営する特定の墓地だけに適用されます。

墓石撤去の費用を助成している自治体は市川市・浦安市・太田市の3市

墓石の撤去や更地に戻す工事の費用そのものを助成する制度は、公式ページで確認できたのが千葉県市川市・千葉県浦安市・群馬県太田市の3市です(確認日:2026年9月29日)。

自治体(公式ページ)

制度と対象の墓地

金額

主な条件・受付状況

千葉県市川市

一般墓地返還促進事業(市川市霊園の一般墓地)

原状回復費用を区画に応じ75,000円〜440,000円まで助成。使用料の4分の1(3年以内・未使用なら2分の1)も返還

予算額に達し5月22日に受付終了、補正予算の承認で9月16日時点で受付再開。窓口のみ

千葉県浦安市

墓所返還者等支援事業(浦安市墓地公園)

墓石撤去費等の補助は上限150,000円。合祀室への改葬は改葬先の使用料負担なし

随時申請。石材店の見積書(原本を提示)が必要。補助金は返還後に交付

群馬県太田市

墓石撤去費用助成金(八王子山公園墓地)

祭祀費用を除く撤去費用の総額か20万円の、いずれか低い額

管理料の滞納がないこと。撤去完了後に明細書・領収書を添えて申請

3市とも、助成の対象はその市が運営する墓地だけです。太田市の概要資料には「他墓地の墓石撤去費用は対象となりません」と明記されています。

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墓石の撤去費用は、石材店ごとに見積もりが違います

墓じまいの費用のうち、墓石の撤去・整地にかかる部分は石材店に見積もりを出してもらって確かめます。墓石ナビは、見積もりを依頼したい内容として「墓じまいをしたい」を選べる一括見積もりサービスです。複数の石材店の条件を並べて比べたいときに使えます。

  • 撤去する区画の広さと、墓石の大きさ・基数
  • 重機が入れるか(入れない場合の作業方法)
  • 整地して返還するまで含まれるか
  • 見積もりに含まれない費用の範囲
当サイトは、お墓を残すことも墓じまいをすることも勧める立場ではありません。供養の方法はご家族・ご親族で話し合って決めてください。離檀料や墓地の管理者との取り決めは石材店の見積もりの範囲外です。対応エリア・見積もりの条件は、移動先の公式ページでご確認ください。
墓石ナビで一括見積もりの条件を確認する

石材店の一括見積もりサービス「墓石ナビ」の公式サイトへ移動します

使用料の還付や返還協力金がある自治体は、未使用・短期間の返還に限る例が多い

使用料の還付や協力金は、最初に納めた使用料の一部が戻る制度です。確認した8市のうち、使用期間や納骨の有無を問わず受け取れるのは磐田市と玉野市で、残る6市は「3〜5年以内の返還」や「納骨したことがない」などの条件付きです(確認日:2026年9月29日)。

自治体(公式ページ)

対象の墓地

戻る額

主な条件

静岡県磐田市

市営霊園

使用料の50%

使用期間に関係なし

岡山県玉野市

玉野市霊園

使用した霊地は10%(平成28年3月31日以前の許可は50%)

原状回復と市の確認検査の後

茨城県水戸市

浜見台霊園・堀町公園墓地

返還協力金。第4種70,000円〜第1種294,000円ほか

納骨したことがない、許可の翌年度から7年以上

宮城県仙台市

市営墓地

永代使用料の半額

使用許可から3年以内の返還

福島県福島市

新山霊園ほか市営墓地

使用料の2分の1

3年以内の返還(新山霊園は遺骨未埋蔵も条件)

兵庫県明石市

石ケ谷墓園の一般墓地

使用料と管理料の半額

使用許可後5年以内の返還

山口県下関市

市営墓地

使用料の50%ほか

3年以内に墳墓を設置せず全部を返還

岡山県岡山市

規則で定める7墓地

使用料の2分の1

遺骨を埋蔵していない未使用の返還

検索でよく見る「墓じまいで補助金がもらえる」という情報には、墓を使っていない区画だけが対象の還付が含まれている場合があります。自分の区画が条件に当てはまるかを公式ページで確かめてください。

東京都の都立霊園は補助金ではなく、合葬式墓地へ移す「施設変更制度」がある

東京都の都立霊園には墓石撤去費用の補助はなく、承継者がいない使用者が墓所を返還して遺骨を都の合葬式墓地へ移す「施設変更制度」があります。合葬式墓地の使用料と年間管理料は不要ですが、案内資料には「現在使用しているお墓を更地にする費用は使用者の負担」と書かれています。実施の有無や受入霊園、受付期間は年度により異なるため、使用中の都立霊園の窓口で確認します。

横浜市・名古屋市・京都市などは、撤去費用は使用者の負担と案内している

需要の大きい政令市でも、墓じまいの補助制度は公式ページで確認できませんでした。横浜市は「横浜市には墓じまいに関する補助金制度はありません」というページを設けています。名古屋市の八事霊園・愛宕霊園のよくある質問は撤去工事の費用を「墓地使用者(名義人)が負担」と案内しています。京都市・鹿児島市・仙台市も、墓石を撤去して更地で返すことを求め、撤去費用の補助は記載していません。

補助の対象になる条件は「公営墓地の名義人が更地にして返還すること」が共通

確認した自治体の制度には、対象になる条件にいくつかの共通点があります。自分が使えるかどうかは、次の4点で見当がつきます。

  1. その自治体が運営する墓地の使用者(名義人)であること。名義人が亡くなっている場合は、先に承継の手続きが必要な自治体があります(名古屋市・水戸市など)
  2. 墓石を撤去し、原状回復(更地)したうえで返還すること
  3. 管理料の滞納がないこと(太田市・水戸市)
  4. 予算の範囲内であること。市川市は予算額に達して受付を一時終了しました

補助が無い場合は、同じ条件で見積もりを比べ、改葬先の費用を見直す

補助制度が無い墓地の墓じまいでも、撤去工事の見積もりの取り方と改葬先の選び方で費用は変わります。

  • 撤去工事は2〜3社から、区画の面積・墓石と外柵の量・重機が入れるかを同じ条件で伝えて見積もりを取る
  • 公営墓地の場合、撤去業者を自分で選べるかを管理事務所に確認する(名古屋市は「任意の工事業者」を選ぶ案内)
  • 改葬先を合祀型の永代供養墓や樹木葬にすると、新しい墓石が不要になる

改葬先の種類と費用の違いは永代供養の種類と費用相場や樹木葬とはで、撤去費用の内訳や誰が払うかは墓じまいの費用で整理しています。

墓じまいの補助金の申請は、墓石の撤去が終わってから行う自治体が多い

墓じまいの補助金は、撤去工事の領収書や工事前後の写真を添えて申請する流れが一般的で、工事前に申し込みだけを済ませる形ではありません。確認した自治体の案内をまとめると、次の順番です。

  1. 墓地の管理事務所・担当課に、制度の受付状況と必要書類を確認する
  2. 遺骨がある場合は、市区町村で改葬許可を受ける
  3. 石材店に撤去工事を依頼し、工事前後の写真と見積書・領収書を残す
  4. 返還届と助成・還付の申請書を提出する

浦安市は申請後に適用可否を通知してから返還手続きに進む順番で、自治体により前後します。親族の間で墓じまいの合意ができていない場合は、手続きの前に話し合いを済ませ、もめているときは弁護士などの専門家へ相談してください。

墓じまいの補助金についてよくある質問

寺院墓地や民営霊園の墓じまいに使える補助金はありますか?

寺院墓地や民営霊園の墓じまいに使える補助金は、今回確認した自治体の制度には見当たりませんでした。制度はいずれも自治体が運営する墓地の返還が対象です。

東京都の都立霊園や横浜市に墓じまいの補助金はありますか?

都立霊園と横浜市には、墓石撤去の費用を補助する制度はありません。都立霊園には合葬式墓地へ移す施設変更制度があり、横浜市は補助金制度が無いことを公式ページで明示しています。

自分の自治体に制度があるか、どう調べればよいですか?

自分の自治体の制度は、お墓がある墓地の管理事務所か、市役所の墓地担当課の公式ページで「返還」「還付」「原状回復」の語を確認するのが確実です。

まとめ

墓じまいの補助金は、自治体が運営する公営墓地を返還する人向けの制度が中心で、撤去費用の助成は確認した16自治体のうち市川市・浦安市・太田市の3市でした。まずお墓がある墓地の運営者を確かめ、公営墓地なら管理事務所に制度の有無と受付状況を確認しましょう。手順の全体像は墓じまいの流れで確認できます。

記事を読んだら、お住まいの市区町村の具体的な情報や費用の目安を確かめてみましょう。

MUNICIPAL DATABASE

お住まいの市区町村の補助金情報を確認

全国1,726自治体の収録データから、公式ページと掲載値を編集確認済みの補助制度を確認できます。

※補助金情報は各自治体の公開情報をもとにした独自調査です。制度・金額・募集状況は更新されるため、申請前に自治体の公式情報をご確認ください。

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この記事について

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。相続・年金・税・登記などの手続きは、 個別の状況や法改正によって取り扱いが異なります。具体的な手続きや判断は、各市区町村窓口・ 年金事務所・法務局・税務署、および司法書士・税理士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。

編集・運営:株式会社Kogera「生前整理支援センター ふれあいの丘」。 実家じまい・遺品整理・生前整理の進め方を、当事者とご家族の目線でわかりやすくお届けしています。