相続の相談先|無料相談の窓口と専門家の選び方

「親が亡くなったけれど、相続のことを誰に聞けばいいのか分からない」「できれば無料で相談したい」と迷っている方へ。相続の相談先は、悩みの種類によって変わります。遺産分割のもめごと、相続登記、相続税、遺言、借金の心配、費用の不安という6つの悩みごとに、公的な窓口と専門家の窓口を公式情報で整理しました。
相続の相談先は、遺産分割のもめごとは弁護士、登記は司法書士、相続税は税理士や税務署というように悩みの種類で決まる
相続の相談先は、遺産分割のもめごとは弁護士、不動産の名義変更(相続登記)は司法書士、相続税は税理士や税務署というように、悩みの種類で決まります。悩みごとの相談先と、公的機関などの入口は次のとおりです。
悩み | 主な相談先 | 公的機関などの入口 |
|---|---|---|
相続人の範囲・遺産分割でもめている | 弁護士 | 市区町村の法律相談、家庭裁判所の家事手続案内 |
相続登記をしたい | 司法書士 | 法務局の登記手続案内 |
相続税の申告が必要か知りたい | 税理士 | 国税庁の電話相談センター、税理士会の無料税務相談会 |
遺言を作りたい | 公証役場、弁護士 | 公証人への相談(無料) |
亡くなった人に借金がありそう | 弁護士・司法書士 | 家庭裁判所の家事手続案内、法テラス |
相談費用を払う余裕がない | 法テラス | 収入・資産が基準以下なら無料法律相談 |
誰が相続人になるかは法定相続人の範囲と順位で先に確認しておくと、相談がスムーズです。借金が心配なときは期限が関係するため、相続放棄の必要書類と期限も確認してください。
弁護士・司法書士・税理士の専門家窓口は、それぞれの業界団体が全国に相談センターや相談会を設けている
弁護士・司法書士・税理士に相談したいときは、それぞれの業界団体が案内する相談センターや相談会から探せます。知り合いの事務所がなくても使える入口です。
弁護士会の法律相談センター(遺産分割・もめごと)
日本弁護士連合会によると、全国の法律相談センターで弁護士の法律相談を受けられ、相談時間はおおむね30分、相談料は地域や相談内容により異なり5,500円前後です。遺言・相続の無料電話相談を設けている弁護士会もあります(出典:日本弁護士連合会・遺言・相続の相談窓口)。
司法書士会の相続登記相談センター(名義変更)
日本司法書士会連合会は、各地の司法書士会の相談窓口を「相続登記相談センター」として案内しています。司法書士総合相談センターも全国約150か所にあり、相続や不動産手続きの相談に対応しています。相談料は連合会の案内ページに記載がないため、予約時に確認してください(出典:日本司法書士会連合会・総合相談センター一覧)。法務局と司法書士会が共同で無料相談を開く地域もあり、たとえば京都地方法務局は京都司法書士会と共催で、相続と遺言について1回30分以内・要予約の無料相談を実施しています(出典:京都地方法務局)。
税理士会の無料税務相談会(相続税)
日本税理士会連合会によると、全国15の税理士会が税理士記念日(2月23日)を中心に無料税務相談会を開いています(出典:日本税理士会連合会)。申告の期限は相続税の申告期限で解説しています。
相続の公的な相談窓口は、法テラス・法務局・税務署・家庭裁判所・公証役場・市区町村の6つで、無料の条件や対応範囲が異なる
相続の公的な相談窓口は、法テラス、法務局、税務署(国税局)、家庭裁判所、公証役場、市区町村の6つです。相談無料と明記しているのは法テラス(基準あり)、公証役場、東京家庭裁判所、名古屋市などで、利用条件と答えられる範囲は窓口ごとに違います。
法テラス:収入と資産が基準以下なら、同じ問題で3回まで無料
法テラスの無料法律相談は経済的にお困りの方が対象で、1回30分、同一の問題につき3回まで無料です。予約時に収入と資産(現金・預貯金)を聞かれ、東京に住む3人家族なら収入299,200円・資産270万円が基準です。弁護士・司法書士の費用の立替え制度もあります(出典:法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」・費用の立替)。
法務局:登記手続案内は1回20分以内の完全予約制
法務局の登記手続案内は、登記申請書の作成などに必要な情報を提供するもので、1回20分以内の完全予約制です。電話・窓口・ウェブ会議から方法を選べ、集めた戸籍の過不足も確認してもらえます(出典:法務局「登記手続案内」・よくある質問)。書類は相続登記の必要書類で確認できます。
税務署・国税局:電話相談センターと予約制の面接相談
国税庁によると、各国税局の電話相談センターでは国税局の職員などが相続税を含む国税の相談に答えています。書類や事実関係の確認が必要な相談は、所轄の税務署で事前予約制の面接相談を受け付けています(出典:国税庁「国税に関するご相談について」)。
家庭裁判所:家事手続案内で申立ての方法を聞ける
家庭裁判所の家事手続案内では、家庭裁判所の手続を利用できるか、どの申立てをすればよいかを1件おおむね20分以内で説明しています。受付時間は裁判所ごとに異なり、東京家庭裁判所では費用無料・予約不要です(出典:裁判所「家事手続案内」・東京家庭裁判所)。
公証役場:遺言の相談はすべて無料
日本公証人連合会によると、公証役場での相談はすべて無料で、どこの公証役場でも相談できます。事前予約制の役場もあるため、確認してから出向くと安心です(出典:日本公証人連合会・相談と予約)。
市区町村:住民向けの無料法律相談(例:名古屋市)
住民向けに弁護士の法律相談を開いている市区町村があります。たとえば名古屋市は、相続を含む民事上の法律問題について、市内在住・在勤・在学者を対象に、相談時間20分・相談料無料の法律相談を予約制で実施しています(出典:名古屋市「法律のことは」、2026年9月29日更新)。対象者や予約方法はお住まいの市区町村の公式サイトで確認してください。
公的窓口の相談は手続きの案内が中心で、遺産分割の進め方や税金の判断は弁護士や税理士などの専門家に相談する
公的窓口の相談は手続きの案内が中心で、遺産分割の進め方や税金の判断までは答えてもらえない場合があります。窓口ごとに次のような線引きがあります。
- 法務局:遺産分割の方法や話し合いの進め方は説明せず、弁護士などへの相談を案内している。相続税・贈与税も扱わない
- 家庭裁判所:申立ての費用や添付書類は説明するが、法律相談や身上相談には応じない
- 名古屋市の法律相談:相手方への交渉や事件の受任、弁護士の紹介は行わない
- 横浜市の市民相談室:弁護士と司法書士は相続税などの税金の相談に対応しておらず、税金は税理士か税務署へと案内している(出典:横浜市「市民相談室」)
公的窓口で方向性をつかみ、個別の判断が必要になった段階で弁護士・司法書士・税理士に相談すると、時間と費用のむだを抑えられます。
相続の相談を短時間で終えるには、戸籍・財産・遺言の有無と聞きたいことを事前にメモしてから窓口へ行く
相続の相談は1回20〜30分の窓口が多いため、戸籍や財産の資料と聞きたいことのメモを事前にそろえておくと話が早く進みます。持参物の目安は次のとおりです。
- 亡くなった人の戸籍謄本など、集めた書類
- 相続人の関係を書いたメモ
- 財産のメモ(不動産・預貯金・借入れなど分かる範囲で)
- 不動産の登記事項証明書(法務局は登記手続案内の前に取得するよう案内)
- 遺言書の有無と、あれば写し
- 聞きたいことを優先順に書いたメモ
税務署の面接相談では、予約の際に持参する書類を伝えられます。公証役場で遺言を相談するときは、どの財産を誰にどのような割合で遺したいかを書いたメモを出すよう案内されています(出典:日本公証人連合会)。本記事の公式情報は、いずれも2026年9月30日に確認しました。
まとめ
- 遺産分割のもめごとは弁護士、相続登記は司法書士、相続税は税理士や税務署
- 公的な入口は法テラス、法務局、税務署、家庭裁判所、公証役場、市区町村。無料の条件は窓口ごとに確認する
- 公的窓口は手続きの案内が中心。個別の判断は専門家に相談する
実家を相続して売却や分け方を話し合う予定がある場合は、実家の価値を査定で確かめておくと、相続人どうしの話し合いの目安になります。個別の判断に迷ったときは、弁護士・司法書士・税理士に相談してください。
次の一歩:あなたの地域で調べる・試算する
記事を読んだら、お住まいの市区町村の具体的な情報や費用の目安を確かめてみましょう。
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